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「は?突き放す?」
「伊野尾ちゃんはさ、」
頬をさわさわと撫でられる。
話す時に人の頬に手を伸ばすのは、山田の癖なのかな。
「そうやって俺のこと、いつも突き放す。
関係ないって。
俺だってもう、ガキじゃないんだから、そりゃ伊野尾ちゃんより3歳年下だけど、いろいろ、相談に乗れることだってきっとあるよ。」
なんでも言ってよ、迷惑じゃないから。
そう告げた山田は、唇をきゅっと引き結んで、まるで泣くのを我慢してるみたいだった。
「……じゃあ、お前は俺のこと抱けるの?」
「は、?」
「だって、山田が言ってるのはそーゆーことだろ。
……俺さ、そーゆー優しいこと言われるとすぐ勘違いしちゃうバカだから、軽々しく言わないで。
……だからこれからも、ただのメンバーでよろしくね。」
帰る、と立ち上がって玄関に向かう。
靴をはこうとしたところで、山田に腕を掴まれた。
俺はそれを、なぜか、思い切り振り払ってしまって。
「触んな。
気持ち悪いだろ、俺のこと。」
これ以上ないひどい言葉を、山田に言ってしまった。
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作者名:酢雨 | 作成日時:2017年6月27日 20時