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お邪魔します、と家に入ると、山田がこっち来て、と俺の手を引いた。
それだけで俺は、ドキドキしてしまって。





「……やまだ?」

「ここ、座って。」


指をさされたソファに座る。
何も言い出さない山田が不思議で見上げると、なぜか、とても苦しそうな顔をしていた。


「……千葉くんとは、恋人同士なの?」

「…………は?

まさか、」

「見てた。全部。
見る気は、なかったんだけど……ごめん、」


意外とショックは、小さくて。
そんなことよりも、なんで山田が苦しそうな顔をしているのかがわからなかった。


「……恋人じゃないよ。」

「へ、?」

「セフ レ。
遊びで男とやったらはまっちゃってさ。そっから。」


俺がゲイだってことはバレたくないから、嘘をついた。


「な、んで、そんなこと……」

「なんで?って……山田にはわかんないよ。」


好きな人に当たり前に愛されるお前には、俺のことなんて一生わからないよ。


「……なんで、そうやって……突き放すの……?」

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作者名:酢雨 | 作成日時:2017年6月27日 20時

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