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side:R.Y
今振り払われた手を見つめる。
さっき、伊野尾ちゃんは、冷たい目をして俺の家を出ていった。
「……だっさ……」
女優さんに呼ばれて、その人の楽屋に行く時。千葉くんの楽屋の前を通ったら、すごい甘い声がしたんだ。
女呼んで楽屋でするような危機感ないやつなのかよ、って通り過ぎようとしたら、少しだけドアが開いてて。
興味本位で少しだけ覗いて見たら、千葉くんの腕に抱かれていたのは、伊野尾ちゃんだった。
なぜか胸がもやもやして、疑問に思ったこと全部を消化したくて、伊野尾ちゃんを家に呼んだ。結果はもうこの通り。
目を閉じると思い出せる、伊野尾ちゃんの乱れた姿。胸がチリチリ痛んで、なんでか泣きたくなる。
恋人じゃないって言われて、なんでかほっとした。
なんで?
俺は別に、伊野尾ちゃんのことが特別好きだったわけじゃなくて、むしろ少し嫌いで。
ふわふわしてて、掴みどころがなくて、先輩やお偉いさんに言い寄られたらふらふらついていって、それを薮ちゃんに守ってもらって、そんな伊野尾ちゃんが不安でたまらなくて、嫌いだった。
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作者名:酢雨 | 作成日時:2017年6月27日 20時