心の臓のマリンブルー ( Ym × In )

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改めて決意した、伊野尾ちゃんとお話しした日から、しばらくがたった。
俺も伊野尾ちゃんも、仕事に復帰していて。
伊野尾ちゃんは、自分の家に帰って、暴力を受ける日々を続けていた。









そんな、いつも通りに戻ってしまった生活が、唐突にまた終わりを告げるなんて、いったい誰が思うのだろうか。




取り乱した伊野尾ちゃんが、俺の家に来て。


「どーしたの、」

「た、たくと、が、どーしよ、ねぇ、タクトが……！」


しまいにぼろぼろと涙をこぼす伊野尾ちゃん。
玄関前でそんなことされちゃ誰に何を思われるかわかんないから、とりあえず家の中に入れると、伊野尾ちゃんは声を上げて泣き出した。


「お、男の人たち、きて……っ！たくと、つれてっちゃったぁ……！！」

「は……！？」


警察って言うんじゃないの、それ。
どうしよう。どうしたらいいのかわからない。
……まず警察かどうかもわからないけど。
でも、それぐらいしか浮かばない。


「……落ち着いて、伊野尾ちゃん。」

「たくと、たくと……っ！たくと、」

「ちゃんとこっち見て！名前呼んでても恋人は戻ってこない！！」

「っぁ、やだやだやだやだやだ！！
つれてかないで！」


パニック起こして、俺の服を破れそうなくらいに掴んで引っ張る。

まえ、俺の前で伊野尾ちゃんがパニックを起こした時はどうやってしずめた？


何も思い浮かばなくて抱きしめると、伊野尾ちゃんは体を硬直させた。

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