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テヒョンに唇のすぐ横に口付けられて、熱っぽい視線で好きって言われて…もう恥ずかしくてどうしようもなかった。
急だったからよけれなかった…っていうのは言い訳で、むしろ受け入れた。
告白してくれた時もそれ以降も、テヒョンからの好きの気持ちがすごく伝わってどんどん絆されてるのがわかる。
ただ何となく、うまく言えないけど、鼻先がくっつくぐらいの至近距離で言われたさっきの“好き”が、再会してから今まででいちばん胸がぎゅっとなる気がして。
目線だったり、声色だったり…何がって言われるとうまく説明できないけど、真っ直ぐなテヒョンの想いが心に濃く広がった。
私自身がジミンと話してテヒョンを好きってしっかり自覚したからっていうのもあるんだろうけど、テヒョンからの素直で直球な愛情が嬉しかった。
だから私からもテヒョンに触れたくなって思わず頬を包む両手に自分の手を重ねた。
テヒョンは一瞬目を逸らして、くっと眉間に皺を寄せ切ない顔をすると、小さい声で少し不安そう見つめながら呟いた。
TH「A、…俺のこと、すき…？」
ど、どうしよう…好き、なんだけど…
応えた方がいいのはわかってるんだけど…
言葉が口から出てこない。
今まで私の気持ちをこんな風に聞いてくることがなかったから突然のことに慌てて、目を逸らしてしまい重ねた手に力が入る。
黙ったまま頭の中でパニックを起こしていると、テヒョンの後ろから聞こえた大好きな低い声に話は中断されて、申し訳ないけどホッとした。
…のに、ユンギオッパはどけってすぐに家に入っていっちゃって、テヒョンはさっきの続きとばかりに繋いだ手を引いて向かい合わせにされた。
そしてもう一度同じ質問。
今度はさっきと違って私の気持ちを知ってるかのような、少し強めのそれでも優しい声で。
応えようとしたけど、ユンギオッパが帰ってきたし出掛ける時間が迫っている。
そんな余裕のない時に急ぎ足で応えるのが嫌で、ちゃんとテヒョンへ自分の気持ちを伝えたくて、あさって会う約束をした。
テヒョンは迎えに行くからって私の額に一瞬のキスをして、今度こそ手を振って私が家に入るのを見送ってくれた。
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作者名：すゆ
| 作成日時：2021年8月9日 20時
