49 JIN ページ49
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1ヶ月くらい前、クリスマスに会えないって連絡をした辺りから、Aがおかしいことなんて気付いていた。
連絡も頻度が減って返ってこない日もあるし、電話はほとんどしなくなったし。
それで、この休み中で1日しか会えないと言ったAに不安は確信に変わった。
今までなら連休でお互い都合が合えば泊まっていたんだから嫌でもわかってしまう。
Aの素直なところは好きだけど、今回ばかりはわかりやすすぎてその素直さが嫌いになりそうだった。
「私、オッパと別れたい…です…」
JN「…なんで？」
「す、好きな人が、できたの…」
JN「…そっか。」
何となく言われることは予想してた。
何があっても絶対離さないって思ってたけど。
Aの頬を挟むように両手を添えると、大好きな大きな垂れ目から涙がぼろぼろ落ちている。
それでも逸らすことなく俺の目をじっと見つめてきて。
…もう無理なんだな。
そう思った。
JN「わかった。」
「っ…ごめんなさいっ…」
JN「謝らないで。」
「…」
JN「なんとなくわかってたから。Aわかりやすいし。」
「っ、」
JN「もう俺に気持ちはないんだもんね？」
「…ごめんなさい。…で、でも、オッパのことは大切に思ってて…これからもオッパがよければサークルの先輩後輩として仲良くして欲しくて…」
JN「ごめん。今すぐは無理だ…いつかね。」
「、！…そうだよね…」
JN「でも、今までありがとう。Aと一緒にいられて幸せだった。」
「私もっ、幸せだった。オッパと恋人になれてよかった。こちらこそ本当ありがとう…」
JN「家まで送るよ。」
「ごめんね、ありがとう。」
Aが落ち着くのを待って、家まで送って前に停車した。
JN「ついたよ。」
「うん。ありがとね。」
JN「…Aっ」
車から降りようとするAの腕を引き抱き締めた。
もう触れられないと思うと自然に力が入る。
Aの首筋に顔を埋めゆっくり深呼吸した。
JN「…」
「…オッパ…」
JN「ごめん…じゃあね。」
「うん…」
「幸せになってね」とはとても言えなかった。
Aの幸せを願ってあげれない悪い奴でごめんね。
いつか心からそう思えるようになったら、サークルの先輩後輩としてまた会おうね。
A、大好きだよ。
Aを見送って、自分の家に帰ってから少し泣いた。
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作者名：すゆ
| 作成日時：2021年5月17日 18時
