先輩と残業 ページ6
その後、会社に戻りデスクワークをしていたのだが...終わらない！
明らかに今日で終わる量じゃないだろ。ブラック会社か。
隣のデスクをチラリと見ると、先輩もイラついてるようで入力を1つミスり、小さく舌打ちしている。
先輩は、実際に契約を持ってきたり電話対応をしたりする方が得意だ。所謂実戦向きなのだろう。
それに対して、私はデスクワークの方が得意だ。基本単純作業だし、ぼーっとしながらでも出来る。
しかし、この世知辛い世の中。いつかAIやなんかに取って代わられるのかな、なんて思う。そんな時に生き残るのは、私みたいな人間じゃなくて先輩のような人間なんだろう。
時々無性に先輩が羨ましくて、先輩みたいになれたらいいな、と思う。これが“憧れ”というものなのかな。
そして、一向になくなる気配のない資料の山を見て、これは残業確定コースだと悟った。
.
Hey,Siro！今何時？
現在時刻は23:41。終電の時刻です。
脳内Siroを稼働させて、改めて現在の状況を見る。あと少し、あと少しなのにっ...！ヤバい、このままだと会社に泊まることになる。
周りの人はもうとっくに帰っている。こういう時に家庭があると早く帰りやすいのに…もう結婚したい。切実に。
隣にいた先輩もいつのまにか、いなくなっている。あれ、これマジでぼっちなのでは？
絶望の縁にいると、頬に温かいものを感じた。
「おつかれさん、これ飲み？」
振り返ると、センラ先輩が缶のココアを渡してくれた。
『あっありがとうございます！』
甘くて温かい、それだけで天国だ。いかに自分が疲れていたのかが、よく分かる。疲れた体に染みる...。
センラ先輩は缶コーヒーを飲んでいた。私がコーヒーを苦手なこと、覚えていてくれたのかな。
センラ先輩にココア代を渡す。すると、センラ先輩は少し嫌そうな顔をして押し戻してきた。
「俺が、後輩からココアの金を取るような、せこい男に見えるん？」
センラ先輩はこういう人だった。人から、自分の求めている以上にお金を貰うのが嫌い。貸し借りを作るのも好きじゃないらしく、基本貸したものは返ってこないものと考えている、と聞いたことがある。
だからこんな状況でも、後輩にデスクワークを手伝ってほしい、なんて絶対に言わない。そこが少し寂しいと思う。私もセンラ先輩を支えられるようになりたいのに。
『…いえ、分かりました。センラ先輩！あと少し頑張りましょう！！』
大きなビルの、1室にだけ明かりがともっていた。
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わたぐもちゃん@推しが尊い連盟(プロフ) - るろぉぉうぉうわ？！！((凄いなぁ…センラさんカッコイイしセンラさんらしさが出ていて素敵です！やっぱり見ておいてよかったと思ってるバカです(( (2020年3月24日 22時) (
レス) id: f4327bfb3f (このIDを非表示/違反報告)
刺身(プロフ) - すーさん» はい！応援してます！ (2020年3月18日 6時) (レス) id: effb00d62f (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - 刺身さん» お気に召したようで何よりです！！個人的には毒舌の時の方が多い気がしますwそのThe 京都人な感じも、お話に活かしていけるように頑張ります！ (2020年3月17日 22時) (レス) id: a451fa3878 (このIDを非表示/違反報告)
刺身(プロフ) - すーさん» お返事ありがとうございます！スパダリセンラさん大好きです(( 時々配信とかでの毒舌っぷりも沸いてます( (2020年3月16日 20時) (レス) id: effb00d62f (このIDを非表示/違反報告)
すー(プロフ) - 刺身さん» コメントありがとうございます！！センラさんは配信などでも社会人らしさが見えるところがあり、それをこのお話では盛り込みたいと思って書いたので、このセンラさんはスパダリです() (2020年3月16日 20時) (レス) id: a451fa3878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すー | 作成日時：2020年3月10日 12時
