隣どおし ページ16
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今日から1ヵ月、僕たちは日本で暮らす事になる。
何度目の日本かな。
僕は結構日本が好きだ。
きっちりしている僕には、日本はあっているかもしれない。
日本語もちゃんと勉強して、日常会話は困らないくらいになって来た。
仁川空港について早々と出国審査を済ませ、搭乗フロアで時間までコーヒーを飲みながらベンチに座っていると、二つ離れた席の女性が鞄の中の物を出して何か探していた。
A「ヤバい! ないない。パスポート入れたはずなのにないよー。」
日本語で何やらつぶやいていた。
どうやらパスポートがなくなったらしい。
(あー、鞄の中身全部出してー焦ってる)
しばらく探していたが諦めたのか、出したものを鞄の中にしまいはじめた。
(あ! パスポート、ノートの間に挟まってるよ。)
いろいろ挟んであるから気がついてないんだろうな。
普段なら絶対にしない事なのに、泣きそうになりながらパスポートを探している彼女の事が少し可哀そうになって、僕は彼女に声をかけた。
MH「チョギヨ…。」
A「ネー?」
MH「パスポート探してますよね? そのノートに挟んでないですか? さっきチラッと見えたので。」
A「チンチャ?? あったー!良かったー。どうしようかと思ってたんです。ありがとうございます! ホント、助かりました。」
MH「良かったですね。」
A「本当にありがとうございます。」
さっきまで泣きそうな顔していた彼女だけど、パスポートが見つかって安心したのか、今度はニコニコしている。
A「あなたも日本に行くんですか?」
僕に質問しながら出しっぱなしになっていたモノを鞄にしまっている。
それに、僕の顔を見てもなんとも反応がないので僕たちの知名度もまだまだなんだと思った。
MH「はい。仕事で日本へ行きます。あなたは日本人ですよね? 旅行か何かでしたか?」
A「いえ、今、韓国で生活してるんですけど、休暇が取れたので久しぶりに日本に帰国しようかと思って。」
MH「そうなんですね。 あっ!下に財布が落ちましたよ?」
A「え!? あ、すみません。 さっきから失敗ばかりで恥ずかしいです。」
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ななし(プロフ) - YES。さん>コメントありがとうございます。If you はどうしても書きたくなったで、歌詞を少し借りて私が思った事を書いてみました。ネタが尽きてきましたがボチボチ書いて行くので、時々のぞいてください。 (2017年8月31日 21時) (レス) id: 822c5f20d0 (このIDを非表示/違反報告)
YES。(プロフ) - 最後の If you すごく泣けました・・・。 この小説すごく好きです!頑張ってください! (2017年8月31日 17時) (レス) id: 372597b041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ななし | 作成日時:2017年7月9日 23時