友達の友達は友達なのか(青)

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佐「Aが遊びに誘うなんて珍しいじゃーん」

『遊びじゃないよ？』

佐「えー！遊びじゃなかったらこれなに？！」

『私の買い物への同行』

佐「いやそれただの下僕！おれら友達じゃないわけ！」

『まずその大きい声やめて』

佐「や、まず下僕を否定しろ！」

『うるさいですー』





うん。これは遊びに誘ってますよ、佐久間さん。


ここ何日か慣れない生活が続いて疲れてしまった私は、日曜日に唯一の親友と呼べる大介を誘って街へと繰り出した。

疲れてしまった理由は言わずもがな、渡辺翔太と関わってしまったからなのだけど。





佐「つかさー、A髪切れば」

『なに急に』

佐「俺今日夕方までしか遊べないって言ったっしょ」

『うん』

佐「美容室予約しちゃったからなんだよね」

『うん、それ昨日聞いた』

佐「うん、だから切ろ？」

『いや、無理あるでしょそれ』

佐「えー行こうよー！女の子と並んで髪切りたいー！」

『理想のデートを私で満たすな！』

佐「じゃあ着いてきて」

『え、むり。おかしいでしょ普通に考えて』

佐「お願いお願いお願いお願いお願いお願いお願いお願い」

『むりむりむりむりむりむりむり』








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『はぁ…』

佐「幸せ逃げるぞ！ほら、スマーイル」





大介の推しに負け、結局二人で美容室へ。

急に入ってもカットしてくれるわけないでしょ。と思っていたのが間違いでした。大介のあとのお客さんがまさかのキャンセルで、私が入れちゃった奇跡。





『はぁぁ………』

「そんなに切りたくないのかな？」

『あ、いや、そんなっ…わけじゃなくて…』





美容師さんが優しく話しかけてくれたのに、上手く返せない自分が恥ずかしい。





佐「あんねー、こいつ自分に自信ないんですよ」

『なっ………』

佐「だからその長い前髪切って、
　 目の前明るくしてやってくれませんか。
　 お兄さんにそのお手伝いをしてもらいたいです」

『だぃ、すけ…』

「かっこいいね、彼氏」

『かかかっ、かっ』

佐「っじゃないんすわー！萌えないっすこいつには！」

『な、失礼だし！』





とか言いつつ、いつも背中を押してくれるのは大介。

そして、それにしがみついちゃってる私は本当に弱い。









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