友達の友達は友達なのか(青)

■ ページ19

.









やばい、心臓ばっくばく。

去り行く人々全員に見られてるのではないかと錯覚。

自意識過剰も甚だしいんですけどね。





渡「あ、おはよ」





上履きを履いていたら渡辺君の声。またですか。

というか、やだ。肩がビクってしちゃった。





『お、おはよう…ございます』





別に驚いてませんよ。って態度で挨拶を返す。





渡「今見えてんの？」

『…はい』

渡「へ？メガネかけてないのに」

『こっ、コンタクトに…したので』





やけに恥ずかしい気分になるのは、昨日の保健室でのせいだ。





渡「へぇ、ずっとその感じだ」

『眼鏡が一週間後に出来るので、それまで…です』

渡「えー。コンタクトでいいじゃん」

『な、なにも仰ってるんですかっ』





私が歩き出すと、後ろからパタパタと足音を立てて着いてくる渡辺君。

すると急に隣を歩き始めた。





渡「コンタクトさんせー」

『い、嫌です』

渡「なんでよ」

『…………嫌なものは嫌なんです』

渡「俺も譲れないんすけど、コンタクト」

『かっ、関係ないじゃないですか…』

渡「……まぁ、そうなんですけど」

『ぁ、の…今のは、』

佐「おっはー！」





ナイス大介。

今、凄い空気悪くなったところだったんだよ。

もちろん100%私が悪いんだけど。でも実際、私が眼鏡だろうとコンタクトだろうと渡辺君には少しも関係がない。


と思いつつも、渡辺君の一言一言に、自分の心がフワフワズキズキ忙しくなっていることに気付かないふりをしてみた。









.

■→←■

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す