No.055 ページ5
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「危ねぇだろ、クソガキ！」
怒鳴り散らす運転手と思われる男の声に
私達が店の扉を思い切り開けると…
まどか｢おい！ジジイ！｣
「あぁ？！」
まどか｢悪いのはおめぇだろ！｣
まさかの運転手のおっちゃんとまどかの取っ組み合いが
行われていた。
……しかもまどかが優勢。
正也｢やっぱりドカは最強だな｣
楓士雄･誠司｢｢｢だな｣｣｣
真也｢あんな女、嫁にしたら最高だな｣
正也･楓士雄･誠司｢｢｢だな……えぇぇぇぇ？！？！？！｣｣｣
真也の発言に3人が驚きの声をあげるから
その声に私はビックリした。
真也結構まどかのこと見てたからそうじゃないかと思ってたけど
他の3人は予想もしてなかったらしい。
そうこうしていると聞き慣れたバイクの音がこちらの方へ
近付いて来て視界には入って来なかったけど
どこかで停まったのか……エンジン音が止んだ。
『……じゃあ私も帰るわ』
楓士雄｢それなら俺も…｣
『楓士雄はまだ食べてる途中でしょ？』
楓士雄｢でも……｣
『大丈夫だからあとは男だけで楽しんで！』
そう言ってまだ取っ組み合いをしてるまどか達を横目に、
私はバイクの音がした方へ駆け出した。
『広斗』
広斗｢…遅せぇ｣
『てか場所言ってないのに分かる広斗が怖いんだけど』
広斗｢よく幼馴染で来てたって言ってたろ｣
前に話した細かいところまで
本当によく覚えてるよね…。
広斗｢……ん｣
そうぶっきらぼうに差し出してくるの
私が前に使ってた雨宮兄弟のロゴの入ったヘルメット。
『まだ持ってたんだ？』
広斗｢当たり前だろ、早く乗れよ｣
『……振り落とさないでね』
広斗｢それはお前次第｣
そう言いながらもヘルメットを装着し後ろに乗った私が
しっかり腰に腕を回したのを確認して
安全運転で走り出したバイク。
『どこ向かってんの？』
広斗｢行けば分かる｣
そう言われて辿り着いたのはかつて私達が暮らしていた団地、
……絶望団地だった。
『何でここに……』
広斗｢静かに｣
口元を抑えられふと静かな空間に
足音とやたらハイテンションな声が近づいてくるのが分かった。
暗闇ではっきりと顔は見えないけど派手な髪色の3人。
ハイテンションで騒ぐ2人の後ろを
静かに歩く金髪＿。
「新太さんどうしたんすか？」
「どうしたんすか？」
「……うるせぇよ」
はっきり顔を見なくても声を聞けば誰かなんてすぐ分かる。
『……新太』
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作者名：Shiro | 作成日時：2024年3月20日 17時
