stupid~真っ赤なブレスレット~2

俺が一番好きな声 ページ29

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玲於side




もう迷わない




迷えない





最後に紗奈さんがくれたチャンスだと考えると、自然と体が動いていた




隼｢玲於…！？｣




隼の驚いた顔が背後で聞こえる




入口に向かって走り出した俺は、心を決めた




告白する




あまりにも突飛かもしれないし、あいつは俺の事を好きじゃないかもしれない



こんな冷たくて非常で面倒くさい男、嫌いかもしれない




いつだってあいつを助けてくれる隼じゃない




でも、





Aの異変に1番に気づきたい



Aと、喜びを共有したい




｢玲於くん｣って、あの舌っ足らずで柔らかい声にもう一度呼ばれたい



何故か、ここを逃したら一生呼んでもらえないような気がして、焦りばかりが俺を突き動かす





走りすぎて足が麻痺しそうになる




隼の家の方向へ向かって、ただひたすらに走っていく





会ったら、伝えるんだ





お前が帰る場所は、隼の家じゃなくて俺の家だと




今更かもしれないけど









汗だくになって探していると、不意に柔らかい声が聞こえた









・








『玲於、くん…？』









俺が1番、好きな声

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