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喫煙室は思ったより狭くて、本来なら3人入れるんだろうけど、
きっとみんな2人入ってたら入ろうとしない。
中はがっつり換気と洗浄されてるからか、少しだけ肌寒く感じた。


『小学校の先生目指してる人が喫煙者だなんて』
「お互い様でしょ」

軽く笑いながら、煙を吐く姿は様になっていた。
同い年の男の子が煙草を吸ってる姿は見慣れてるはずなのに、
改めて慎太郎くんってかっこいいんだなって意識する。


「…樹と仲良いの?」
『うん。1年生のときのスノボ合宿で同じ班だった』
「あーね」


慎太郎くんが吐いた煙がふらふら宙を彷徨う。
見つめて、何も考えられなくなる。


『慎太郎くんは誰と…』


言いかけて、なんとなく気まずそうに笑う慎太郎くんを見て、
慌てて言葉を止める。
さっき思ったばっかりなのに、早速踏み込んじゃいけない領域に足をひっかけた。


知りたい、と一方的に思うのは悪だ。


『…私がスノボ出来なくて、樹に馬鹿にされたの』
「え、意外かも」
『そう見える?ありがとう。けどなんだかんだ教えてもらって』
「なんだかんだ樹優しいからな」
『それから樹の体の良いおもちゃよ』

ほんと嫌になる、って笑いながら煙草を吸って、
煙を吐きながら笑えば、じーっと慎太郎くんが不思議そうな顔でこっちをみていた。

『…なに?』

「…え、聞いて良いことか分かんないから迷ってたんだけど」





「樹と付き合ってたりする?」





知りたい、と一方的に思うのはやっぱり悪だった。



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作者名:甘さ控えめ太郎 | 作成日時:2023年12月12日 0時

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