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「Aちゃんって国語専攻だっけ?」

まだ20分弱しか経っていないのに、ほぼ氷しかないカップを傾ける。
ピアスとネックレスはしてるのにリングはつけないんだ、
なんて考えてたら質問に答えるのに一歩遅れた。

『うん、小学校の国語専攻だよ』
「じゃあ小学校の実習行くの?」
『行くけど、高校の国語教師目指してるから高校の実習もかなぁ』

『慎太郎くんは?体育だったよね』
「そ!小学校ね!ちびっこのスーパーヒーロー目指してるから!」

ふんって気合いを入れたように力こぶをいれてる姿をみて
きっと人気者の先生になるんだろうなぁなんて想像した。結構しっくりくる。

「学校どこだった?」
『えーと…確か○○小学校だったはず』
「まじ!?俺と一緒じゃん〜」

同じ実習班だったらいいな、なんて言いながら
何もなかったようにまた手元の課題に向き合い始める。


…なんかちょっとだけ、勝手にドキドキしてしまう。
ただの友達に向けた言葉だって分かってるはずなのに。




「…なべちゃんってさ」

「ちょっと機嫌悪い日、絶対紫のネクタイ締めてるって知ってる?」



『ふふ、何それ知らない』

「え、まじ?よくジェシーと話すんだけど」
「あ、ジェシーって英語専攻の高身長ハーフね?」

『くだらないなぁ』

「次課題出すとき見てみてよ。紫色の日に課題忘れたら要注意よ」



どうでもいい話をちらちらして、あっという間に時間が経つ。
カフェモカが入ってはずのカップは氷が溶けてくっつきだしてる。
慎太郎くんのカップには水が溜まり始めてた。

「そろそろ行かなきゃか〜」
『ね!みんな待ってる』



「また飲み会前とか、一緒に課題しよ!捗るわ」






…やっぱりそのフープピアスがずるいよ。





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作者名:甘さ控えめ太郎 | 作成日時:2023年12月12日 0時

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