あの日見た夏色の飛行船 (ページ3)

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優「スクリーンは春夏秋冬の全てが集う世界だったんだけど、10年ほど前に分断されちゃって。」

慎「つまりここは永遠に夏。俺は大好きなサーフィンが出来るからいいんだけどね」

優「俺たちアクターは他のスクリーンとも協力しながらなんとか直す方法を探してるんだ」

…なんとなく分かったような分からないような。

慎「んで、今夏のスクリーンには北斗以外にも3人のトラベラーがいるんだ。みんなリアルに帰るかスクリーンに残るか考えてるところ。」

優「とはいえ今は帰るのは難しいんだけど」

北「どういうこと?」

優「今はどこのスクリーンでも条件が上手く揃わないみたいでさ。また詳しく説明するよ。」

慎「北斗は?帰りたい?」

北「俺は…」

正直、生前を思い出してもあそこに帰りたいとは確信できない。

それならここに残ってみるのもいいかもって。

慎「ま、今は急いで決めることないよ。他のみんなも考えはそれぞれだし、ね?」

優「そうだね。大晦日まではまだ時間があるはずだから」

北「ありがとう」

慎「あ、そうだ!北斗、他のトラベラーに会いに行かない?」

北「え、いいの?」

優「みんなにも北斗のこと紹介したいしね」

慎「じゃあ行こう～!」

北「え、ちょっ!」

慎太郎君に手を引かれるまま、部屋を飛び出した。