あの日見た夏色の飛行船 (ページ14)

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Day2 ページ14

北斗side

トラベラービレッジを出て、適当に思い付きでスクリーンを歩く。

夏だから暑いのは当たり前だけど、その暑さが不快だとは感じない。

しばらくしていると本屋が立ち並ぶ道に出た。

ジ「あ、北斗じゃん!」

北「おはようジェシー。ねぇ、ここって?」

ジ「ノレッジストリート。本屋とか博物館とか、もうちょっと先に行ったら図書館もあるよ」

北「髙地が言ってたのってここのことだったんだ。じゃあジェシーはここで英語を教えてるんだ」

ジ「好きでやってるだけなんだけどね笑」

北「いいじゃん、好きなことを好きに出来るって。」

好きなことだって自分の好きに出来ることはそう多くないから。

それはリアルで痛いほど知った。

ジ「あれ、北斗その目…」

北「え?なんか変?」

ジ「そんなに黒かったっけ…?」

北「俺は割と昔から黒目って言われるんだけど」

ジ「そうじゃなくて、普通黒目でも光が当たったらちょっとは茶色っぽくなるものじゃない?」

北「それもそうか…」

目の色が変わる、それが京本の言ってたようにスクリーンに残りたい意思の表れなのだとしたら納得がいく。

来たばかりだけどここの暮らしは快適そうだし、少なくとも今までの人生よりは幸せなんじゃないかって。

北「今度髙地に聞いておくよ」

まだそれを口に出す勇気はなくて、ジェシーには隠してしまった。