あの日見た夏色の飛行船 (ページ12)

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慎太郎がくれたのは薄いグレーに“T”の文字が入ったpebble。

慎「“T”reat(治癒)のpebble、何かあった時のお守り!」

北「いいの?」

慎「なんか北斗、元気ないし?お守りあったら落ち着くっしょ?」

北「なんか、気遣わせちゃってごめん」

慎「湿気た顔してたら夏の男になれないよ?笑」

カウンターに雑に手を突っ込んだ慎太郎の手にはシルバーのロケットペンダント。

慎「これにいれれば毎日持ってられるでしょ?俺とお揃い!」

優「慎太郎の場合はなかったら死ぬって感じだけど」

北「死ぬ?ここって生死の狭間なんじゃ…?」

慎「正確には消滅ってこと。高地がややこしい言い方するから北斗困ってるじゃん」

優「さっきから慎太郎も大概だけどな」

慎「俺はこいつ、“L”ife(生命)のpebbleがないとアクターでいられないんだよね。スクリーンが4つに分断された10年前からずっと。」

優「原因不明な上に“L”pebbleはこれ以外に見つかってない。言わば慎太郎の心臓と同じ。」

慎「こいつが守ってくれてるお陰で存在してるってこと!だから北斗もそいつが助けてくれるよ!大丈夫!」

あまりにポジティブな慎太郎に思わず笑ってしまった。

北「ありがとう慎太郎、高地。」