56.暗い海。 ページ6
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部屋に引き篭もって1週間が過ぎた。
あの日からスマホの電源を切って、人との関わりを自ら遮断した。
関わりがあるとすれば、北斗とおばさんくらい。
食事の量も減った私を2人に心配される日々。
そんなある日。
ノックと共にドアが開く。
北斗がチラッと顔を覗かせた。
「京本来てるんだけど…顔出せる？」
「大我…？」
大我が家まで来たという事実に胸の鼓動が煩くなる。
だけど、今は誰とも会いたくない。
大我とも……。
「…ちょっと無理…。」
「…分かった。」
ドアがパタン…と静かに閉まった。
例え大我と血の繋がりのある姉弟だったとしても。
それでも私は、大我のことを嫌いにはなれない。
寧ろ、大好きだから苦しい……。
今更、弟として見ることなんて出来ないよ。
だからもう、会わないほうがいい。
その日の夜、人々が寝静まった時間に私はパジャマのまま何も持たずにこっそり家を出た。
人気のない夜道をひたすら歩いた。
辿り着いたのは、真っ暗な海岸。
潮の香りに昔の記憶が蘇る。
幼い頃、辛くなった時はよくここに来ていたのを思い出す。
そういえば、北斗と一緒に来てたんだっけ。
だけど懐かしさをあまり感じられないのは、こんな真夜中にここに来たのは初めてだからかな。
暗いと海ってこんなに怖いんだ……。
「っ……」
やっぱり、死ぬなら空を飛びたい。
深い海の底じゃなくて、天の向こうに行きたい。
海岸から離れようと思ったけど病弱な私にはもう体力が残ってなくて、その場にペタンと座り込んだ。
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和ッフル(プロフ) - yamayama0509021さん» 嬉しいです！ありがとうございます！！ (2021年2月5日 10時) (
レス) id: 287052cd16 (このIDを非表示/違反報告)
yamayama0509021(プロフ) - 一瞬で読み終えてしまいました！！！面白かったです！！！これからも楽しみにしてます！！ (2021年2月4日 23時) (レス) id: f5163d79d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和ッフル
| 作成日時：2020年10月17日 21時
