38.交際。 ページ38
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図書室を出て、スマホを取り出す。
先輩に、"付き合いましょう"と返信した。
すると直ぐに既読が付いて、今から会える？って来た。
生徒会室にいるかな。
返信せずにスマホをポケットに入れて、生徒会室に向かった。
ノックして入ると、高地先輩がソファーに座っていた。
先輩のところへ寄ると、先輩は少しずれて座るスペースを開けてくれた。
失礼します、と言って隣に座った。
「本当にいいの？」
「はい。付き合いましょう。」
高地先輩の目を見て微笑むと、彼も微笑んでくれた。
「ありがとう。よろしくね。」
「よろしくお願いします。」
「あ、敬語使わなくていいよ？」
「わか…った。」
「それと…優吾って呼んで。」
「…優吾。」
名前を呼ぶと彼は嬉しそうに笑って私のことを抱き寄せた。
「好きだよ、A。」
お互い呼び捨てになって距離がグッと縮まった感じがして、嬉しくなる。
「私も好き。」
そう返せば、優吾は照れるように笑う。
そして、私の唇にそっとキスをした。
次の日から私は屋上に行くのをやめた。
学校では北斗とも樹ともあまり話さなくなり、昼休みは必ず生徒会室に行って優吾と共に過ごした。
大我とも会わなくなった。
家でも前よりは北斗と話さなくなって、一緒に寝ることもキスをすることもなくなった。
だけどおばさんに変な心配かけないように、朝は一緒に家を出てる。
それでも手を繋ぐなんてことはなかった。
そんな感じになってから1ヶ月が経った。
優吾と付き合えて幸せな筈なのに、何故か心の中はずっとモヤモヤしたままだった。
それが何故なのかは今の私には分からない。
優吾のことはちゃんと好きだし、一緒にいて楽しい。
なのに、会わなくなった大我のことをふと思い出すと息が苦しくなる。
LINEも何件か来てたけど既読を付けなかった。
それに北斗も時間が経ってもまだ時々切なそうな顔をする。
そんな顔を見る度に私は更にモヤモヤしてしまうんだ。
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和ッフル(プロフ) - 五月雨さんさん» ありがとうございます（ ; ; ）頑張ります！ (2020年10月9日 9時) (
レス) id: 287052cd16 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨さん - 読んでいてキュンキュンします！お話の切なさも伝わってすごく面白いです。更新頑張って下さい。 (2020年10月8日 23時) (レス) id: bd9b89ca09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：和ッフル
| 作成日時：2020年10月4日 23時
