僕らの海賊船【sxpx】 (ページ2)

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#1 『はじまり』ページ2

「面舵いっぱい！」

爽やかな青年の声が、広い海に涼やかに響く。

蒼く美しい海に浮かんだ可愛らしい海賊船は、ゆるりと激しいカーブをする。

船の上には、六色の様々な笑顔が輝いていた。

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紫「みんなぁ、朝だよ！」

低く柔らかい、何処か上品な声が船中に優しく響きわたる。

その声を合図に、数人がふかふかとしたベッドからむくりと起き上がる。

黄「なーくん！おはようございます。」
紫「おはよう、るぅちゃん！」

るぅちゃん、と呼ばれたこの金髪の可愛らしい声の男は“るぅと”。

船員の最年少で、船員一のしっかり者。この海賊船では航海士兼ね戦闘員を務めている。

赤「ふぁあ…おはよぉ、なーくん」
紫「おはよう、莉犬くん！」

派手な見た目のこの男は“莉犬”。

オッドアイに赤髪、黒のメッシュに犬耳、尻尾と、中々派手だが案外普通である。

この海賊船では代理航海士を務めている。

代理航海士というのは、航海士のサポートだとか、航海士の体調が悪い時の代理だとか。

この船の航海士は、どちらも優秀だ。

橙「なぁくん…あと、二時間…」
紫「長すぎる！！起きて！！！」

むにゃむにゃしながら言葉を放つこの琥珀色の髪の男は“ジェル”。

この船の副船長ね戦闘員である。

彼は笑いをさかんとするウェスト海の出身であり、船長の右腕だ。

桃「起きろジェル。ころん。」
紫「さとみくん起きてたの！？」
赤「いつの間に！！」

桃色の髪をし、涼しげな表情をするこの青年は“さとみ”。

この船のコックである。

彼は12歳から18歳の頃は役者として各地で活躍し、

19歳から26歳まで、世界的に有名な海上レストランで働いていたという実績を持つ。

彼自身警戒心が鬼ほど強いため、あまり仲の良い友人はいなかったようだが。

青「んん〜…もうバナナいらないよ…」
紫「もう、どんな夢見てるの…」

寝言を続ける青髪の男は“ころん”。

この船の船大工兼ね戦闘員。

馬鹿そうな見た目をしているが、船の構造、海の知識は一人前。

強さも中々である。

この船でパッと見一番弱そうなのは彼だが、ギャップがあるのも彼である。

強く、豊富な知識がある。

紫「…もう、るぅとくん。ころんとジェルくん起こしといて。お手柔らかにね」

黄「勿論です。」

船長の紹介は後にしよう。

この作品では、六人の日常を描いていく。