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ー五条sideー
この楽し過ぎる生活にすっかり慣れてしまった。
普通の女の子の部屋に住み込むようになって、仲良くなって。
一言で表すならば “いい友達”
始まりが唐突ならば、終わりが来るのも唐突だった。
Aが寝たのを見届けて、僕も寝ようと思った時に携帯が鳴った。
「見つけたよ、帰る方法。呪力戻りつつあるかい?」
電話の相手は傑だ。
「もうかなり戻ってるよ。」
「最初に居たところが異世界への出入り口になってるみたいだ。午前4時44分に合わせ鏡をすると他の異世界への扉が開くらしい。」
「嘘っぽいなぁ。」
「確かにウソっぽいけど信じるしかないだろ?
他の異世界とも繋がってるかも知れないけど同時に私もこちらから手を伸ばすから掴むんだ。」
こんな非現実的な話誰が信じるんだろう。
だけど実際にどうにかワープしてきたわけだし、傑が言うんだから間違いはないんだろうけど。
……その前に、Aになんて言おう。
「…聞いてる?」
「聞いてるよ。僕が入れるサイズの鏡を用意したらいいんだね。」
Aの部屋に鏡はあるし……他に用意するものは特にない。
「Aとの別れの挨拶もあるだろうけど、こちら側も早く帰ってきてほしいから決行の日は明後日だ。」
「ん、了解。」
そう言って電話を切った。
この無期限の休みも終了のお知らせ。
Aと過ごした日々、楽しかったなぁ。
あんまり家から出してもらえない軟禁状態だったけど、それでも楽しかった。
主夫みたいな生活だったけど。
僕を助けてくれた優しさ、それ以外にも細かい仕草や気遣い、一緒にいて楽しい事。
好きになるには条件が揃いすぎた。
僕のいた世界で共に過ごしたい、と言ったらどんな反応を示すんだろう。
僕が帰ったら、Aは忘れちゃうのかな。
『…悟さん?』
「A……うるさかった?ごめんね、傑から電話来てたんだ。」
『ううん、大丈夫。
傑さんに何か言われたの?』
「悲しい顔してる」とAは眉を下げた。
僕のためにそんな顔をしてくれるAをギュッと抱きしめた。このまま潰してしまった方がいっその事楽なんじゃないかな、と思うぐらいにAと離れたくない。
「Aに言わなきゃいけない事があるんだ。」
察しのいいAはもう気付いてるかな。
*もうすぐ完結です。
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くまこ(プロフ) - ルイさん» 500票目!一気読みお疲れ様でした!本当にありがとうございます✨ (2022年1月31日 19時) (レス) id: 906efc68a2 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - 500票目失礼します!書き方もストーリーも好みで一気に最後まで読んでしまいました…!素敵な作品をありがとうございます! (2022年1月31日 1時) (レス) @page37 id: dd88096f0d (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - ひなりさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます!やっぱりトリップして来てほしいですよね…同感です笑 コメント頂いたので必ず番外編も書きたいと思います!ありがとうございました☺️ (2021年11月26日 13時) (レス) id: 73baee915b (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - むぅさん» 最後まで読んで頂きありがとうございます!続編も考えたのですが終わりどころ見つけられず諦めてしまいました💦番外編!期待されたら書くしか無いですね!しばらくお待ちください!必ず書きます!ありがとうございました☺️ (2021年11月26日 13時) (レス) @page30 id: 73baee915b (このIDを非表示/違反報告)
ひなり(プロフ) - 完結おめでとうございます!私の家にも五条先生がトリップしてきたらいいのに……と思いながら楽しませていただきました笑もしお時間あるときがありましたら、番外編を書いてくださると嬉しいです!!本当に面白かったです!これからも作品楽しみにしています! (2021年11月26日 7時) (レス) @page30 id: 51dad2d676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くまこ | 作成日時:2021年10月9日 19時