雨 ページ29
その日は夕方から雨が降っていた。
傘を持って会社を出ようとすると、二宮くんが傘を持たずに出ていこうとしていた。
『…』
彼はそのまま、雨の中を歩いていく。
私はいてもたってもいられず、傘を差して駆け寄る。
『二宮くんっ』
和也「…A」
私は彼を傘に入れた。
彼は虚ろな目をしている。
『傘忘れたの？風邪ひいちゃうよ。駅まで一緒に行こう』
和也「いいって」
彼はまた歩き出す。
『ちょっと待って！』
追いかけると、彼は建物の軒下に立っていた。
私も傘を畳んで、彼のとなりに立つ。
和也「なんでついてくんの」
『…だって、ほっとけないから』
和也「俺なんか相手にしなくていいですから」
『そんな顔してたら、嫌でも気になるよ…！』
和也「…」
『彼女に、フられたからなの…？』
彼が私を見た。
和也「…誰から聞いた？」
『…』
黙り込む私を見て、ふーっとため息をつく。
和也「…そうですよ」
降り続ける雨を眺めながら、彼は言う。
和也「…ずっと前から俺と"あいつ"はうまくいってなかった。あいつの気持ちが離れていっていることだって気づいてた」
ピチャン、ピチャン、と屋根から雫が落ちる。
和也「それでも俺はあいつを想っていたから、メール送ったり、電話かけたりした」
フッと笑って俯く。
和也「そしたらさ、あいつが電話越しに言うんですよ。"好きな人ができた"って…(笑)」
『…っ』
私はぎゅっと拳を握る。
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ayane(プロフ) - はるちさん» 初めまして！コメントありがとうございます！切ないですね…更新頑張ります！ (2019年9月14日 20時) (
レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - まゆみんさん» 私も書いてて切ないです…(泣) (2019年9月14日 20時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
はるち(プロフ) - はじめまして。いつも拝見させて頂いてます。コメントは初めてです。切ない場面ですね。これからも楽しみにしてます。 (2019年9月14日 11時) (レス) id: 041d0ce1ae (このIDを非表示/違反報告)
まゆみん(プロフ) - 早くくっつきますように… (2019年9月14日 10時) (レス) id: 092a98dfdf (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - kaz_ars0617さん» 初めまして！ありがとうございます！更新頑張ります(笑) (2019年9月13日 8時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayane
| 作成日時：2019年9月2日 10時
