旅の終わり ページ44
和也「約束をしましょう」
『約束…？』
和也「俺が死んでも、あなたは生きること」
『…そんなの耐えられません…っ』
和也「Aなら大丈夫。きっと周りが支えてくれます。あと、もう一つ約束してほしいことあるんです」
『…？』
和也「俺の見ることのできない景色を、あなたが見てほしい」
『その言葉…っ』
俺は小指を彼女の小指に絡める。
和也「約束、ですよ？(笑)」
『はい…っ』
彼女は子どものように泣きじゃくりながら返事をした。
俺は彼女の手を取り、手の甲にキスをした。
和也「じゃあ、行きなさい。そこをずーっと歩いていけば、出口はある」
彼女から離れる。
和也「それと、あの神社に行ってみて。あなたに渡したい物が置いてあります」
『わかりました…っ』
和也「ほら、もう行って」
彼女は僕に抱きついた。
『どうかっ···どうかお元気で…』
和也「Aも、元気で」
『…さよならっ…』
彼女が俺に背を向けて走り出した。
彼女の涙が風に乗って落ち、消えていく。
餓者髑髏「オオオオ…」
俺は餓者髑髏と向き合った。
和也「さあ、終わりにしよう。何もかも」
餓者髑髏が手を振り上げる。
俺は目を閉じた。
・
・
・
・
再び目を開けると、何も無い真っ白な世界になっていて、餓者髑髏は消えていた。
俺はそこをさまよって歩く。
赤い番傘を差した女性の後ろ姿が見える。
その女性のところへ駆け寄る。
彼女は優しく微笑んで、傘の中に俺を入れた。
長い旅の話をしよう。
まずは、何から話そうか。
和也「あのね────────」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 387人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ayane(プロフ) - まっきぃさん» 初めてのコメントありがとうございます！最後まで読んでいただいて感謝です(；；)次回作もよろしくお願いします！ (2019年8月21日 20時) (
レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
まっきぃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！コメントは初めてかな。妖狐の二宮さんにどハマりしてしまい、ずっと読んでました(^O^)結末は悲しかったけど、主人公がずっと笑顔で入れて良かったと思ってます。次回作も読みますね！！ (2019年8月21日 20時) (レス) id: cc514bee80 (このIDを非表示/違反報告)
ayane(プロフ) - 香織さん» 頑張ります！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: 39d061f7d7 (このIDを非表示/違反報告)
香織 - 更新頑張ってください (2019年8月14日 8時) (レス) id: 482ce168b0 (このIDを非表示/違反報告)
香織 - ↓出血多量も含まれます (2019年8月13日 21時) (レス) id: 482ce168b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ayane
| 作成日時：2019年8月9日 20時
