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地獄の鬼ごっこ ページ9

あれからやり取りはせず、目が覚めれば外は薄暗く、雨が降っていた。
朝から雨の中を歩くなんて憂鬱だ。
良いことなんて何もない。



不規則に傘を叩く雨の音に耳を傾けながら、水溜まりを避けて学校へと向かう。
雨の流れに乗って桜の川が出来ていた。

玄関まであと少しというところで見覚えのある後ろ姿。目を凝らしてよーく見るとビニール傘のおかげで目立つ髪色。

バレないように、歩くスピードを落とし、傘を深く持つ。まるでスパイみたいだ。
しかしこれ以上目立つ訳にはいかない。
自身の前を歩く人の後ろを歩き、上手く隠れながら下駄箱で靴を履き替える。

第一、第二関門は何とか突破したようだ。
スパン!と勢いよく扉を開け教室に入り席に着く。
今日は移動教室もなく一日平穏に終えるはずだった。

みかちゃんがお弁当と椅子を持って私の机に来たとき、教室がざわざわし始めた。
何事かと思えば出入口に人が集っている。人、というよりは女子。教室内を伺うように中心にいるその人が背伸びをしたところでばっちり目が合った。

「あ、いた。Aちゃん」

「不在です!」
弁当を持って先輩がいる方とは別の出入口から猛ダッシュで廊下を駆け階段を降りていく。
行き先は未定だ。保健室なんかいいんじゃないかと一階目指して残り四段の階段をジャンプで降りる。
ふわりとスカートの裾が揺れ、抑え込むように華麗に着地する。あれ、ちょっと楽しんでないか?踊り場で回ってみるのも良

「そんな避けられるとサガる」

「…!ば、ばけもの…!」
「そんな言い方しなくても」

保健室まであと数メートルというところで先輩がすました顔で私の隣を走る。並走しないでほしい。
フェイントをかけようと、くるりと来た道を戻ろうとすれば、それに気付いた先輩が私のお腹に腕を回して持ち上げる。まるでペットのような扱い。

「俺足速いから、追いかけっこ得意だよ」
「は、は、離して…!助けてください…!」

足が浮いてじたばた暴れれば、素直に降ろしてくれた。

「まずは逃げるの禁止」

足の遅い私はどうやったって捕まってしまう。
先輩の目を欺くしかないと、一か八かの賭けに出ることにした。

「あ、ギャル…!」
先輩の背後を指差せば、釣られるように振り向く先輩。
目の前の女子トイレに駆け込めば、外で「いねーじゃん…」って寂しそうな声が聞こえた。

便所飯を決めるわけにもいかず、トイレ内の窓からこっそり出たことを、先輩は知らない。
教室、戻りたくないな。

相合傘→←通話



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設定タグ:ブルーロック , 乙夜影汰 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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ちえ - 乙夜の誕生日気がついてたら終わってた。 (12月9日 19時) (レス) id: ce10ab680a (このIDを非表示/違反報告)
るあちぇ - 先輩後輩系だいすきなんだが!?しかも後輩が女子側のやつがだいすきです、!この作品最高です!!更新頑張ってくださいねー!!! (9月6日 20時) (レス) id: b2fdbadc01 (このIDを非表示/違反報告)
そらちゃま - えーんTTめっちゃすてきです・・・!更新楽しみにしてます! (5月19日 15時) (レス) @page19 id: 46f4834660 (このIDを非表示/違反報告)
融点(プロフ) - 死ぬほど好きです、めちゃくちゃ好きです……。更新応援しています……!! (2023年4月6日 18時) (レス) @page18 id: 6f6f2e1e89 (このIDを非表示/違反報告)
もか@無気力(プロフ) - BAB子さん» いえいえ、自分もついうっかり外し忘れちゃう事とかあるので!皆で教えあっていきましょう💪 (2023年3月27日 20時) (レス) id: 611339ddb1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:BAB子 | 作成日時:2023年3月23日 22時

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