ストーキング・ロマンス【 yt × in 】 (ページ24)

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これは、どういう状況なんだろう。

伊「まぁ座って」

理科室に呼び出された俺は、すぐそばにある椅子にとりあえず座った。

中「…あの、」

伊「この間はごめんね」

中「え…」

また目も合わさず、手元の資料を見つめながら話す先生。

伊「気持ち悪いもの見せちゃって」

中「いやっ…それは」

伊「薮からなんか言われた？」

中「……まぁ…怒られました」

伊「世話焼きなんだよね、アイツ」

やっと、くすりと笑う先生。

やっぱ、薮が絡むとこうして笑うんだ。

ちょっとだけ、またイラっとした。

伊「なんでわかったの？」

中「はい？」

伊「…俺が、男が好きって」

重ための前髪と眼鏡の隙間からチラ、と覗く視線に、ドクンと胸が鳴った。

中「やっぱそうなんだ」

伊「中島の言う通り、キモいよね」

中「キモいのは！…、」

伊「…」

中「キモいのは…俺だよ」

自虐的に笑う先生を見て、咄嗟に出た言葉だった。

そこでハッとする。

あんな夢見てるなんて、こいつに言ってどうする？俺が損するだけだよな？

中「、帰ります」

伊「っ、待って」

立ち上がった俺の足が止まったのは、先生が俺の手を掴んだから。

中「…え」

伊「あ！ちが、…ごめん…」

慌てて手を離された。まただ。

伊「気をつけて…帰ってね…」

中「…、」

なんだか、ソワソワするこの空気がむず痒くて、俺は無言で部屋を出た。

なんなんだろ、この感じ。