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希望の光 ページ6

『白紙の文学書』ーーーーー

ヨコハマの何処かに眠る、“書いた事が現実(真実)になる„ 力を持つ、封印された一冊の小説

嘗て研究の為切り取られた一片の「頁」を『天人五衰』は盗み出した

この「頁」の力により、探偵社は凶悪犯罪者集団に仕立て上げられ、猟犬から追跡される事態となる

しかし、『本』には制約がある

それは、『書かれた内容が物語としての因果整合性を持たなければならない』というもの

現実世界に存在しない物語的整合性が、『本』の上書き能力には求められる

つまり、「或ル日、人類ハ何故カ滅ビタリ」とだけ書いても、物語的整合性が無い為、“無効„ となる

その制約故、『天人五衰』のような遠大な陰謀は文章量がどうしても多くなってしまう

そこで彼等は、重要な事柄だけを頁に書き、些末な部分は彼等自身が動く事にした



「具体的には、計画を四段階に分割した」

虫太郎の言葉が静かに響く

《第一段階》 『共喰い』で探偵社に梓弓章を与え、政府に近付ける
《第二段階》 『表頁』を使い、探偵社を凶悪犯罪者集団に仕立て上げる

「そして《第三段階》ここで更にテロを起こす……現在はここだ」

《第三段階》 更にテロを起こし、探偵社の罪を重ねる

「最後に、第四段階として『裏頁』に書き込めばーーーーー」

「国家が消滅する、ですか
だとすると、第四段階は『頁』に書き込むだけ……阻止するなら第三段階の今しかないという事に…」

「『裏頁』への書き込みは、次の満月に行うそうだ」

《第四段階》 国家の消滅を『裏頁』に書き込む

「あと十日…くそ
慥かに最悪の気分にしかならない情報です」



安吾は虫太郎と共にモンゴメリの異能部屋を出た

部屋に残った敦と鏡花にモンゴメリが

「ねぇ、落ち込むのは分かるけど…元気を……」

そう声を掛けた

刹那、敦は声を上げて笑った

「やった! やったよ鏡花ちゃん!」

「私も凄く嬉しい」

予想外の二人の反応にモンゴメリは困惑していた

「な、何なのよ? 辛すぎて頭が飛んでっちゃったの?」

そう言うモンゴメリに敦は、第四段階の十日後まで、天人五衰は何も『頁』に書き込めない、と言う

「『頁』を奪って「探偵社は無実」と書き込めばいい それで全部、元に戻る」

「十日以内に天人五衰を見つけ出して倒し、『頁』を奪う」

「やろう、鏡花ちゃん 希望が見えてきた」

敦の言葉に鏡花は頷いた

二人の目に、絶望は無い

あるのは「希望の光」のみ

狂い出す歯車→←青い炎



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朱鷺の砂 - 夏休み期間なので少し更新速度が上がります (2019年7月22日 22時) (レス) id: 137c29396a (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 誤字脱字などありましたら教えて下さい また、作中で分からないこと、分かりにくかったことなどもありましたら教えて頂けると幸いです 他にも、作品やキャラクターについての質問等も受け付けています これからもよろしくお願いします! (2019年6月28日 18時) (レス) id: 4484823ae6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2019年5月19日 7時

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