カジノの支配人と傀儡師 ページ2
コツ コツ コツ コツ
豪華の装飾の施された広間
見るからに財閥や大富豪の客達がカジノに没頭していた
天空に浮かんでいることを除けば、ただのカジノだ
そんなカジノの一角に、多くの客達が集まっていた
「何事だ?」
一人の男が中央の通路を歩いてきて、近くの従業員にそう聞いた
「支配人!……あれは皆様、ルーレットをご覧になっているんですよ
ついに先刻来られたお客様の腕が稀に見るものだと……」
従業員に支配人と呼ばれた男は、事情を聞くとその一角に向かった
支配人の男がルーレットの台に近付くと、丁度ルーレットが回されたところだった
台にはディーラーの他に、見るからに大富豪の男と場違いに感じられる女が向かい合って立っていた
回っていたルーレットが止まり、球が番号の所に落ちる
黒の18
客達の目がベットされたチップに向く
黒の18にチップが八枚積まれていた
「「「オオォーー」」」
客達の歓声が上がった
勝ったのは女の方だった
しかも、三ヶ所にチップを賭けた男と違って、女はその一ヶ所にのみチップを賭けていた
支配人の男はその女を知っていた
「十六夜さん、商談の方に移りましょうか」
「そうですね」
支配人の男に連れられ、女ーーーーー基、Aーーーーーはカジノの奥へと歩いていった
「それで…此処に来た要件は?」
支配人の男がAにそう聞いた
「このカジノを護る為」
Aがそう言うと
「カジノではなく、『あれ』だろう?」
支配人がAを見透かしたようにそう言った
「でもシグマはカジノを捨てる気無いんでしょ?
………例え『猟犬』が全員で攻めてきたとしても」
「当然だ…カジノは私の命そのもの」
シグマと呼ばれた支配人はそう言った
「馬鹿としか云いようがないよ……猟犬と戦える程の戦闘能力も持たないのに、カジノの手離そうとしないなんて」
シグマの言葉にAは少し呆れていた
「関係ないだろう
それより、此処に来たのは命令か?…それとも……」
「命令だよ……ただ、頭目じゃない方、だけどね」
「!」
Aの言葉にシグマは僅かに目を開いた
「理由は判らないけど、面白そうだったから従った」
「相変わらず、変わっているな」
「……頭目以外の天人五衰には云われたくない」
支配人室でそんな会話があったことは、誰も知らない
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朱鷺の砂 - 夏休み期間なので少し更新速度が上がります (2019年7月22日 22時) (レス) id: 137c29396a (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂(プロフ) - 誤字脱字などありましたら教えて下さい また、作中で分からないこと、分かりにくかったことなどもありましたら教えて頂けると幸いです 他にも、作品やキャラクターについての質問等も受け付けています これからもよろしくお願いします! (2019年6月28日 18時) (レス) id: 4484823ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2019年5月19日 7時