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死霊の軍団 ページ32

Aとゴーゴリが仕事をしていると同刻

ポートマフィアとミミックはある美術館の前庭で銃撃戦を繰り広げていた

マフィア四人、ミミック九人

質、量、経験すべてにおいてミミックが圧倒し、マフィアを追い詰めていた

美術館の中へとマフィアが後退し、ミミックは前進した

敵を追って美術館に足を踏み入れたミミックの兵士の首が吹き飛んだ

「芸術鑑賞は好まぬか?」

上方から黒い影が飛翔してきて着地した

ミミック兵が銃を向ける

彼の名は芥川龍之介、ポートマフィアだ

黒外套が質量を持たぬ鋭刃となって小銃を両断する

兵士達は一斉に黒外套に銃口を向け、引き金を引いた

「銃など愚者の戎具」

自動小銃から吐き出される秒間十二発の弾丸と黒刃が交錯した

銃弾の殆どは芥川に届く前に切断され、残りの弾丸は芥川の直前で透明な壁に衝突して停止した

空間断絶ーーーーー芥川の異能だ

空間さえも喰らう、破壊と殺戮にのみ特化した、ただ殺すための異能

ミミックの兵士達を無惨に殺していく芥川の前に一人の男が現れた

「貴君か……銃弾の効かぬ、黒衣の異能者と云うのは」

背の高い男だった

「貴様は何者だ」

「指揮官………ミミックの長だ」

その言葉が浸透した瞬間、マフィアの構成員が一斉に駆け寄り、敵に銃を突きつけた

ミミックの指揮官は視線すら動かさない

芥川の外套が飛翔し、ミミックの指揮官の手足を拘束した

「名乗れ、ミミックの長」

「乃公(おれ)の名はジイド アンドレ・ジイド
貴君と……手合わせを願いに来た」

ジイドは平静な声で言った

「これが貴君の異能か……黒外套を操る
隙のない、優れた異能だな しかし……足りない
我々の魂を原罪から解き放つには………些か期待が過ぎたようだ」

芥川の返答は刃の一閃だった

それから芥川とジイドの攻防が繰り広げられる

芥川の黒刃の悉くをジイドは羽虫を避ける程度の挙動で回避した

そして、芥川が技を繰り出す前にジイドが弾丸を撃ち込み、黒布を弾いた

まるで、初対面である芥川の動きを読めるかのようだった

「貴様……僕(やつがれ)の動きが読めるのか…!?」

「我々はミミック 我々は幽霊 “幽霊部隊„
神の恩寵から見放されし死霊の軍団 真の敵が我らの魂を救済するまで、汚れた血の中を行軍し続ける」

ジイドはただ思ったままの真実を告げていることに芥川は気付いた

織田作之助とアンドレ・ジイド→←道化師と仕事 <弐>



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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2019年3月29日 15時

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