【文豪ストレイドッグス】 地下組織の変わり者 ＜二＞

間違い ページ10

同刻

ある建物の屋上、其処には男の死体と柵に寄り掛かり、本を読むA

『君は間違ってる』

「！」

本と敦の言葉が偶然重なる

「間違ってる……か…そんな事、云われなくても分かってる」

そう呟いたAは、

ﾊﾞｻｯ

読んでいた本を屋上から投げ捨てた

「何が正しくて、何が悪いのか………」

Aは独りそう呟き乍、死体に近付く

「何をすれば人に好かれ、何をすれば人に嫌われるのか……」

男の死体を見下ろしたAは、

「君に理解出来る？…全てから見放された少女が、死を覚悟で進んだ道を否定された時の心の内…」

視線を死体に向けたまま、屋上へとやって来た一人の男にそう言った

「…さぁな……私には分からん」

「だろうね……私も良く分からない
………さて、本題に入ろうか…小栗虫太郎さん」

「嗚呼」

小栗虫太郎
能力名 『完全犯罪』

「貴方を迎えに行く『逃し屋』を手配した……後は、作戦通りに」

Aは、一方的にそう言うと屋上から建物の中へと入っていった



『愚か者め……貴様の方が、己の間違いに気付いていない』

ｺﾂ

背後からの言葉にAは、立ち止まる

「………」

『私は云った筈だ……正しい事を為せと…』

「………消えろ……私は、もう貴方の支配する孤児院(あの場所)には、居ない」

Aは、そう言うと歩き出す

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