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潜窟 <参> ページ46

『ふぅうむ………驚異的な独立電網(イントラネット)じゃなぁ』

敦と芥川は、男達の案内で鉄扉の前に居る

「開きそうですか、花袋さん?」

『この回線速度では厳しいのぅ』

そう言う花袋に芥川は、

「ならば解錠より敵の所在探しを優先せよ
この程度の鉄扉、断ち割るは容易いがウィルス異能者を狩らねば数刻で首領が死ぬ」

そう言った

花袋は敵の所在探しに取り掛かった


「……貴様は何故、この作戦に参じた?」

「何?」

「僕には、動機が有る
だが、臆病者の貴様が他人の命の為に己を危険に晒すのは何故だ」

芥川が敦に問う

「それは……助けなきゃいけないと思うから」

「何故」

「正しい事を為すべきだから」

敦が芥川にそう言うと

『捉えたぞう!』

花袋の声が二人の耳に届く

「本当ですか!」

『実に近い、本当に直ぐ…君達の近くじゃ
これは……君達の背後距離二米(メートル)!』

花袋がそう言ったとほぼ同時に背後からの銃弾が咄嗟に避けた芥川の頬を掠める

「ヒキキッ!外したか…だが、それも良し」

アレクサンドル・プシュキン
『死の家の鼠』 構成員
能力名 『黒死病の時代の饗宴』

「(こいつが……ウィルスの異能者!…最優先の敵!)」

敦がプシュキンを追おうと目線を上げると

「居ない?……何処に…!」

先を荷運車で走っていた

「石炭の荷運車だ……追うぞ」

芥川はそう言い乍、外套で荷運車をレールに乗せる

すると、芥川の体が傾いた

「芥川!?」

「親御さんに習ったろ?…『小さな傷を見くびるな』ってな!」

先を行くプシュキンが芥川にそう言った

フゥッ

芥川に魔法陣の様なものが現れる





『おい、ゴン…指令完了だ』

クラシックを聞くゴンチャロフに、プシュキンから無線が入る

その無線とクラシックを聴いたAは、

「ユゴー、ヴァネガット……頭目の指令通りに」

近くに居た二人にそう言った

「またこいつとか」

「それは此方の台詞」

そう言い乍、二人は立ち上がる

「一仕事するか……背後は頼んだ」

「囲まれるような状況になったらね…」

短くそう会話した二人は、部屋の扉に向かう

その様子を横目に見たAは、ゴンチャロフを目に映す

「今この潜窟に、『死の家の鼠』に属する異能者は、貴方と私、Aさん、ユゴー、ヴァネガット、そして、ドストエフスキー様の六人のみ」

無線機を持ったゴンチャロフは優々と言葉を繋ぐ

『……連中が迫って来た…じゃ、地上でな』

岩 対 白虎と黒獣 <弌>→←潜窟 <弐>



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雨霧(プロフ) - すみません、余計なお世話かもしれませんが、指摘させていただきます。文字の上に小文字を載せたいときは(ruby:大文字:小文字)というふうに打ちます。例をだすと、(ruby:異能特務課:・・・・・)です。 (2022年2月25日 17時) (レス) @page30 id: b35e170b36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2018年7月20日 21時

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