第6章・羅生門と虎 4 ページ6
「貴様とはいずれ、こうなる気がしていた」
私は少女をそっと下ろし、柱にもたれかかるようにした。
ぐったりと気絶していて、当分意識は戻りそうにない。
彼女なりに覚悟もしていたし、恐怖も味わったのだろう。
「懸賞金を取っぱぐれるぞ」
「気にするな。
最早貴様を生かして渡す気など無い」
空気がピリピリと張り詰めていくのが解る。
「お前は許せない…!」
中島君は、芥川という人を睨んだ。
「僕(やつがれ)とて同じ事…!」
芥川という人も、同じように中島君を、憎悪のこもった眼で睨みつけた。
両者、動かない。
緊張感が空気を支配している。
まるで、時間が止まったような気分に陥る。
たった数秒が永い。
刹那、爆発が起きた。
轟音が鼓膜を刺激して空を切り裂き、それを合図に止まっていた様な時間が動き出す。
中島君は地面を蹴って跳んだ。
「[羅生門]!」
芥川という人は異能力を発動し、中島君の虎化した腕を切り裂く。
中島君目掛け、何本もの黒獣が飛んできた。
中島君は、虎化した足の脚力を使い、それを器用に避けていく。
黒獣は地に刺さり、船の床を穿つ。
さてこの勝負、吉と出るか凶と出るか…
…頑張りなよ、中島君。
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月華 - 太宰治さん» 有難うございます!更新させて戴きます…こんな作品に面白いって云って下さって、本当に有難う御座います!ゆっくり楽しんで行って下さいね(笑) (2017年5月30日 18時) (レス) id: e17908aa70 (このIDを非表示/違反報告)
太宰治 - とってもおもしろいです!続が速くみたいです! (2017年5月25日 13時) (レス) id: fb488f32ff (このIDを非表示/違反報告)
夜葉 - いえ、こちらこそ変に細かい所を、指摘してすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2017年4月16日 13時) (レス) id: 7e977bc42c (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すみません!本当だ…直させて戴きますね。ご指摘くださって、有難うございます!面白いなんて、有難うございます! (2017年4月15日 18時) (レス) id: e17908aa70 (このIDを非表示/違反報告)
夜葉 - 羅生門虎9で彼岸花じゃなくて、彼岸桜です。おせっかい、ごめんなさい。この作品、ものすごい面白いです。 (2017年4月13日 20時) (レス) id: 7e977bc42c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月霞銀樹 | 作成日時:2017年4月4日 15時