第12章・絶え間なく過去に押し戻されながら 5 ページ40
中島君は光の中から鍵を掴みだした。
谷崎君の空間に虚像を映し出す[細雪]があれば、と言う考えだろうか。
だが、そんな単純な事で終わるのだろうか?
抑々このお遊戯は、敵の戦術でもあるのだ。
そう考えてみる。
敵の視点から物事を見てみる___。
「準備は宜しくて?」
読めた。
よくよく考えてみればいい、こんな物[盗む]を使うまでもない簡単な物語[ストーリー]なんだ。
「待っ_____」
「Ready…go!」
遅かった。
谷崎君は、あの人形の大きな手に、身体の自由を奪われるように掴まれていたのだ。
____捕まった。
「1人目___」
「捕まえた♪」
狂気じみた声。
狂気を孕んだ笑顔。
黒い扉から無数の手が伸びて、人形から谷崎君を受け取った。
受け取った、と言えば聞こえはいいが、実際[引き渡した]の方が正しい。
谷崎君はあっという間に扉の奥に吸い込まれた。
手と扉に引きずり込まれる、という形を取って。
「またお友達が増えちゃったわ!
嬉しいわね、アン?」
無邪気な声に逆戻りしている。
「え、何ぁに、未だ欲しいの?」
此処は、年相応の___否、少し幼い___少女だ。
「それじゃあ…?」
中島君に、狙いが定められた。
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月華 - 太宰治さん» 有難うございます!更新させて戴きます…こんな作品に面白いって云って下さって、本当に有難う御座います!ゆっくり楽しんで行って下さいね(笑) (2017年5月30日 18時) (レス) id: e17908aa70 (このIDを非表示/違反報告)
太宰治 - とってもおもしろいです!続が速くみたいです! (2017年5月25日 13時) (レス) id: fb488f32ff (このIDを非表示/違反報告)
夜葉 - いえ、こちらこそ変に細かい所を、指摘してすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2017年4月16日 13時) (レス) id: 7e977bc42c (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すみません!本当だ…直させて戴きますね。ご指摘くださって、有難うございます!面白いなんて、有難うございます! (2017年4月15日 18時) (レス) id: e17908aa70 (このIDを非表示/違反報告)
夜葉 - 羅生門虎9で彼岸花じゃなくて、彼岸桜です。おせっかい、ごめんなさい。この作品、ものすごい面白いです。 (2017年4月13日 20時) (レス) id: 7e977bc42c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月霞銀樹 | 作成日時:2017年4月4日 15時