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第11章・君だから此処にいる 2 ページ30

芥川サンの躰が、フラ、ゆっくりと倒れてきた。



私の躰にもたれかかるようにしている。



「…?」



「…僕は」



何処か酷く歪んだ声に、「何も言わないで」と遮る。



聴いてしまっては…いけないような、そんな気がして。



「君の想いが、間違ってるとは思わない…。



 私はただ、少しは周りと頼ってもいいと思う、そう言いたかっただけだから…、



 君が切望するそれを、…否定しようとは思わない」



だって…そうじゃない。



誰かに、憧れる人に…認められたいのは、当然の欲求じゃないか。



私の何処に、否定する権利があるというのだろう。



「…君だから此処にいるんだ。



 それは、私が[化物]だとしても、それだけは否定できないよ…



 そして、それが君の中の[真実]なら…、私は否定なんてできない」



顔こそ見えないけれど、笑ったのが分かった。



私の肩に顔をうずめて、背に手を回される。



そして、強く抱きすくめられた。



「…?」



私は只々目を丸くした。



こんな経験、私は初めてだから。



知識で理解しても、感情が追い付いてこなかった。



「……次会う時も、恐らくは敵だ。



 だが…心に留めておこう、貴様の事は」



ふ、と私も笑みをこぼした。

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月華 - 太宰治さん» 有難うございます!更新させて戴きます…こんな作品に面白いって云って下さって、本当に有難う御座います!ゆっくり楽しんで行って下さいね(笑) (2017年5月30日 18時) (レス) id: e17908aa70 (このIDを非表示/違反報告)
太宰治 - とってもおもしろいです!続が速くみたいです! (2017年5月25日 13時) (レス) id: fb488f32ff (このIDを非表示/違反報告)
夜葉 - いえ、こちらこそ変に細かい所を、指摘してすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2017年4月16日 13時) (レス) id: 7e977bc42c (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すみません!本当だ…直させて戴きますね。ご指摘くださって、有難うございます!面白いなんて、有難うございます! (2017年4月15日 18時) (レス) id: e17908aa70 (このIDを非表示/違反報告)
夜葉 - 羅生門虎9で彼岸花じゃなくて、彼岸桜です。おせっかい、ごめんなさい。この作品、ものすごい面白いです。 (2017年4月13日 20時) (レス) id: 7e977bc42c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月霞銀樹 | 作成日時:2017年4月4日 15時

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