第10章・彼女には向かない職業 4 ページ26
驚きに目を見開いた。
その姿勢を低くしたままの状態で、その速さの勢いのままに右肘で頭を穿つ。
右足で踏みとどまり、同時に左膝で敵の右頬を一蹴し、少し向こうの敵にその敵を激突させた。
そして身を沈めてもう1度走り出し、アッパーを食らわせた。
銃声はやまないのに、血は1滴すら零れない。
壁に金属がめり込んでゆく音がするだけ。
あの銃弾を、すべて避けているのだ、というのは見えなくとも解った。
地面を蹴って跳び、顔面に蹴りを食らわせた。
そして、蹴られて倒れる敵の腹を蹴り、反対側へ移動して其処の敵に右フックを入れる。
自然で、流れるような所作。
見惚れている間に、敵は次々と制圧されていく。
「最、後!」
倒れかける敵の肩を踏み台に跳んで、空中でオフホワイトの髪を翻し1回転。
遠心力を加えたその回し蹴りで、最後の敵を吹っ飛ばした。
「…!」
さっきの感情がやっと解った。
あれは、[畏怖]だ。
絶対的強者に対する、怖れと尊敬。
汗1つかかず、息1つ切らさない女性は、「終了」と小さく呟く。
単純で素朴な言葉しか、充てられたような私の脳には浮かばない。
______凄く、強い_______!
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月華 - 太宰治さん» 有難うございます!更新させて戴きます…こんな作品に面白いって云って下さって、本当に有難う御座います!ゆっくり楽しんで行って下さいね(笑) (2017年5月30日 18時) (レス) id: e17908aa70 (このIDを非表示/違反報告)
太宰治 - とってもおもしろいです!続が速くみたいです! (2017年5月25日 13時) (レス) id: fb488f32ff (このIDを非表示/違反報告)
夜葉 - いえ、こちらこそ変に細かい所を、指摘してすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2017年4月16日 13時) (レス) id: 7e977bc42c (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すみません!本当だ…直させて戴きますね。ご指摘くださって、有難うございます!面白いなんて、有難うございます! (2017年4月15日 18時) (レス) id: e17908aa70 (このIDを非表示/違反報告)
夜葉 - 羅生門虎9で彼岸花じゃなくて、彼岸桜です。おせっかい、ごめんなさい。この作品、ものすごい面白いです。 (2017年4月13日 20時) (レス) id: 7e977bc42c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月霞銀樹 | 作成日時:2017年4月4日 15時