第7章・透明アンサー ページ14
深い水に沈む感覚だった
熱かった体が今度は寒くなった
息をする事を体が拒絶して、そのまま消滅を望むような
何かを感じる事すら拒絶した
手足の力を抜く
もう疲弊した体は動きそうもなかった
何処からか、甘い香りがした
この香りは_________________………
〜〜〜〜〜
「………」
意識が急に浮上した感覚と共に、いきなりフ、と視界が闇から解放された。
寝かされている?
体は激痛で悲鳴を上げていて、命令を聞きそうもない。
「………起きた……?」
鈴を転がすような声は、少し、聴いた覚えがあった。
上を見上げると、覗き込むようにしてそこには、予想した人物と同じ者がいた。
「…貴、様………」
「無理に喋ろうとしてはいけない………」
制止する声を聞かず、話し続ける。
「………退け」
「自分で退けるようになったら退いてあげる」
退く気はさらさらないらしかった。
緋色の目が、じっと僕を見降ろしている。
「何故、…このような、…事をする…。
僕は、誰の助けも、要らぬ………!」
無表情のままで、女は見降ろしたまま、そっと頬に触れた。
冷たい手が、打撲を冷やす。
「芥川サン、人は助けがないと生きていけないの…。
持ちつ持たれつ」
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月華 - 太宰治さん» 有難うございます!更新させて戴きます…こんな作品に面白いって云って下さって、本当に有難う御座います!ゆっくり楽しんで行って下さいね(笑) (2017年5月30日 18時) (レス) id: e17908aa70 (このIDを非表示/違反報告)
太宰治 - とってもおもしろいです!続が速くみたいです! (2017年5月25日 13時) (レス) id: fb488f32ff (このIDを非表示/違反報告)
夜葉 - いえ、こちらこそ変に細かい所を、指摘してすみません。更新頑張ってください!楽しみにしてます。 (2017年4月16日 13時) (レス) id: 7e977bc42c (このIDを非表示/違反報告)
月華 - すみません!本当だ…直させて戴きますね。ご指摘くださって、有難うございます!面白いなんて、有難うございます! (2017年4月15日 18時) (レス) id: e17908aa70 (このIDを非表示/違反報告)
夜葉 - 羅生門虎9で彼岸花じゃなくて、彼岸桜です。おせっかい、ごめんなさい。この作品、ものすごい面白いです。 (2017年4月13日 20時) (レス) id: 7e977bc42c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月霞銀樹 | 作成日時:2017年4月4日 15時