種明かし ページ42
沈黙の末
「私の教育について、如何思いますか?」
理事長はそう言った
「教育?」
「ええ…是非、学校というものを知らない貴女の意見にはとても興味があるので」
「……慥かにE組制度は、弱肉強食のこの世界を理解した素晴らしい教育方法であると云えるでしょう
結果、多くの強者を世に送り出している」
Aはそう言い乍ら積み上げられた自身の本の一冊を手に取った
「ですが理事長……私からしてみれば、幾ら強者と云えど敗北を知らなければ、役に立たない餓鬼も同然です」
「!?」
Aの言葉に理事長は微かに目を見開いた
「では、私の教育は間違っていると……」
「真逆…私は個人的な意見を述べたまでですよ
貴方がどんな教育をしようと、私には関係のない話ですから……それで、本題は?」
「これが本題だとは思わないのかい?」
「ええ、貴方のような人間は、そんなことを態々話すためにこんな処まで来たりはしない」
理事長の言葉にAはそう断言するように言った
「十六夜さん…貴女をこの学園に送り込んだのは、何方の組織(……)ですか?」
「……」
その言葉にAは笑みを浮かべた
途端に病室の温度が一気に下がったように感じられた
「理事長……最近私を嗅ぎまわっている莫迦な奴らが居たのですが…興味本位で私の事を調べることはお勧めしませんね」
Aは笑みを浮かべたままそう言うと、本の間から5枚の写真を取り出し、理事長に見えるように机に出した
「!?」
5枚の写真は何れも、屈強な大男が血を流し無残な姿で写っている
絶命しているのが写真でも判った
「この内の一人には見覚えがあるのでは?」
Aは笑みを崩さず、楽しそうな口調で言った
「貴方は私の事をコソコソ調べていた此奴等の存在に気付き、得られた情報を自分にも渡すよう金で釣った……
その結果、貴方は私がよくコネクションを取る組織が二つ在ることを知り得た
そう迄して私を調べていたのは、政府に彼等の知り得ない情報を提供することで政府に恩を売り、立場的に今よりももっと有利になる為
貴方のこの計画は悪くはない……ですが」
そこで言葉を切った
「ですがその情報……彼等を殺す直前に私が態と教え、貴方に連絡させたのです」
Aはまるで、無邪気な子供が親に悪戯の種明かしをするかように淡々と言った
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朱鷺の砂 - 彩さん» リクエスト、ありがとうございます! 家庭教師ヒットマンREBORNとのコラボですね、了解です!(話数が足りないのでこの作品の続編に書く予定です 公開まで時間が掛かります すみません) (2019年4月3日 17時) (レス) id: 137c29396a (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - リクエストで家庭教師ヒットマンREBORNをコラボできたらして欲しいです!お願いします!できるなら楽しみにしています! (2019年4月2日 18時) (レス) id: 30a946bee5 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 朱鷺の砂さん» コメント返してくださってありがとうございます!リクエストは今のところは思い付かないので思い付いたら即コメントしますね!! 最後に一言→ チェスとか将棋出きるひとすげ(´-ω-`) (2019年1月14日 22時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - 猫好きさん» 壁ドンを書くのは私の得意分野ですので! リクエスト等あったらお願いします! (2019年1月12日 9時) (レス) id: c2940fbcc7 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 壁ドンリクエストした人ナイス!!!!!!!!!!!! (2019年1月11日 23時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2018年11月25日 22時