【文豪ストレイドッグス】地下組織の変わり者 ＜０．５＞

潜入成功 ページ23

山道を抜けた先に、木造の校舎があった

Aは校舎の中に入ると、職員室の戸を開けた

「どうも、初めまして」

職員室には、日本人の男と外国人の女がデスクワークをして居た

「十六夜A…だな」

日本人の男がAにそう言った

「えぇ……直にお逢いするのは初めてですね…烏間さん」

Aは笑みを浮かべて、烏間にそう返した

すると、

「十六夜Aって……真逆、傀儡師(くぐつし)！？」

外国人の女が驚いたようにそう言った

「イリーナさん、下手にその名で呼ばないで下さい……今は唯の転校生ですから」

Aがそう言うと、

「そろそろホームルームが始まる……
くれぐれも、暗殺において、生徒に被害を加えないで頂きたい」

烏間が立ち上がってそう言った

「さぁ…判りませんね……殺すだけなら、私の方が早いですから」

Aは、口元に笑みを浮かべてそう言った

その言葉に、烏間は顔を険しくした





3年E組の教室には、生徒と黄色の超生物が居た

ｶﾞﾗﾗ

Aの前に立つ烏間が教室の戸を開けた

「？…烏間先生？」

烏間の登場に、生徒達は不思議そうにしていた

「突然だが、転校生がいる」

烏間は教室に入るなりそう言った

「「「え！？」」」

生徒達が驚きを露にしている中、Aは教室に入った

「ヌルフフフ…貴女が十六夜さんですね？」

「えぇ」

「では、皆さんに自己紹介を……」

黄色の超生物(殺せんせー)はAにそう言った

「えっと………十六夜Aです…宜しく」

Aが生徒達の方を向いてそう言った

「「「(そのマフラー何？)」」」

「まだ時間がありますねぇ……十六夜さんに質問がある人は？」

生徒の内心にお構い無く、殺せんせーはそう聞いた

「転校生ってことは、君は殺し屋？」

赤髪の少年がAにそう聞いた

「……半分正解で半分ハズレ、かな」

「ふーん…」

Aの返答がつまらなかったのか、赤髪の少年はそう呟いた


それからAは普通に授業を受けた

休み時間の度に質問責めに合ったりはしたが無事、今日最後の授業を迎えようとしていた


六時間目は体育という名の暗殺訓練

体育着に着替えてもマフラーを取らないAに

「十六夜さん、どうしてマフラーしてるの？」

水色の髪の少年がそう聞いた

「渚君、だっけ？……Aで良いよ」

「あ、うん……って、そうじゃなくて！」

Aのピントの外れた返答に渚はそう言った

「？」

「だから、マフラー取らないの？」

「あぁ…大事なものだから」

マフラーに触れ乍、Aはそう言った

「あ、ごめん」

「別に…慣れてるから」

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