検索窓
今日:16 hit、昨日:13 hit、合計:34,900 hit

貪欲な生への渇望 ページ36

「あのとき僕は爪を立てた、あのとき僕は爪を立てた、あのとき僕は爪を立てた、あのとき僕は爪を立てた、あのとき僕は爪を立てた……」

六年前で時が止まってしまったような石造りの部屋で、敦は己を責め続ける
敦は、院を出て一人になったとき、どうしようもなくなり行き倒れそうになったとき、その時、漸く異能が目覚めたのだと思っていた

ーーーーーだけど、違ったんだ

もっと前に、敦は異能に目覚めていた
虎の力を振るっていた

ーーーーーー澁澤を殺すというかたちで

罪悪感に押し潰されそうになる
自責を続ける敦に、澁澤から分離した異能が、ポツリと溢した

「ああ、あのとき君は私を殺した……」

「!」

責めるような澁澤の言葉が、敦の心を逆なでした
はちきれそうなほど膨らんでいた罪の意識を刺激され、敦の感情が爆発する

ーーーーー僕が悪いっていうのか!?
違う、そんなことない

「だって爪を立てるだろ!」

敦は思わず、怒鳴りこむ
心からの叫びが、咆哮となる

ーーーーー僕は何も悪くない!
だって………

「だって僕は生きたかった!」

全身全霊で叫び声をあげる
そうしなければ壊れてしまうと、敦は思った
いつだってそうだ
いつだって敦は自分を守るために戦ってきた
全力で、何もかもを武器に代えて

ーーーーー貪欲な生への渇望の、何が悪い!?

「ーーーーーいつだって少年は、生きるために虎の爪を立てるんだ!!」

扉を閉める思い閂が割れた気がした

仲良し→←記憶の部屋と髑髏



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
38人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪華 - ワンピース×たくっちのまぃの恋愛短編集をリクエスト来ましたよ!頑張って作って下さいね! (2018年10月8日 9時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - こんな作品を読んでいただき、ありがとうございます! (2018年10月7日 22時) (レス) id: c2940fbcc7 (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ - 初コメです!小説面白かったです!更新頑張って下さい! (2018年10月7日 21時) (レス) id: f267fe3bd0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2018年10月7日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。