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共通の目的と殺しの違い ページ23

「……お前の目的は何だ」

警戒する敦に鏡花が囁きかける

「多分、私達と同じ」

「同じって……澁澤?」

敦の問いに芥川は

「奴の臓腑を裂き、命を止める……他にヨコハマを救う方法があるか?」

そう宣言した

「僕達は殺しはしない
探偵社は、そういう仕事をしないんだ」

「笑止
おめでたいな、人虎……鏡花、何か云ってやれ」

「……何のことだ?」

皮肉げに笑う芥川に、敦は眉を寄せる

「鏡花は仕事の趣旨を理解しているぞ
元ポートマフィアだからな」

鏡花が芥川を見据えたまま、口を開く

「私はもう陽の当たる世界に来た
探偵社員になるために、ポートマフィアは辞めた
……マフィアの殺しと探偵社の殺しは違う」

鏡花の言葉に、敦の頭が混乱する

「太宰さんが敵につく前であれば、異能無効化で殺さず霧を止められたかも知れぬが、今ではそれも叶わぬ」

「敵についた?…太宰さんが?」

敦が驚愕を露にする

「しかり……彼の人は自らの意思で敵側に与した」

「太宰さんがそんなことするわけない!」

「嘗てポートマフィアも裏切った人だ」

信じられず、言葉を詰まらせる敦に芥川が冷徹に告げる

「太宰さんは僕が殺す」

「……お前に、太宰さんが殺せるのか?」

きっと無理だ、敦はそう思う

「他の者の手にかかるよりは、この手で殺す」

「!」

芥川の言葉に、敦の背中に冷たいものが走った

「……太宰さんを殺させたりしない!」

敦は、拳銃の銃口を芥川に向ける
昇降機がようやく動きを止めた
芥川は敦に何も言わず、足を進める

「お前とは一緒に行けない」

歩き出す芥川に銃口を向けたまま、敦は告げた

昇降機の扉が再び閉まる
芥川の姿が見えなくなる寸前、鏡花の手が扉を止めた

「一緒に行く」

「えっ!?」

鏡花の短い言葉に、敦は大声を上げた

ドラコニア→←異能を戻す方法



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雪華 - ワンピース×たくっちのまぃの恋愛短編集をリクエスト来ましたよ!頑張って作って下さいね! (2018年10月8日 9時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - こんな作品を読んでいただき、ありがとうございます! (2018年10月7日 22時) (レス) id: c2940fbcc7 (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ - 初コメです!小説面白かったです!更新頑張って下さい! (2018年10月7日 21時) (レス) id: f267fe3bd0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2018年10月7日 18時

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