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重要な任務 ページ18

武装探偵社の内部は、誰も居らず、ひどい有り様になっていた

「うわ……なんだこれ……」

ロッカー、家具、照明、机
激しい戦闘の跡だった

社長室へ向かい、国木田は、探偵証を取りだし床に差し込み、滑らせる
電子機器が現れ、国木田が操作すると、社長室の壁から液晶の画面がせりだしてきた
画面には、白黒の砂嵐が映り、雑音が走っていた
雑音の間に、誰かの声が聞こえる

『……繋がりそうです』

画面が乱れている

「そちらは異能特務課で間違いないですか?」

国木田が画面に向かってそう言った

『はい、僕は異能特務課の坂口安吾です
国木田さん、現在そちらはどういう状況ですか?』

「俺以外には、此処に中島敦と泉鏡花がいます
それ以外の社員は、現在、行方不明です」

『了解しました……』

安吾は、国木田にヨコハマが霧に覆われ外部と遮断されていること、異能者のみ存在していることを伝えた

「こちらでも確認しました
この霧の中では、異能者から異能が分離し、持ち主を殺そうとします」





同時刻
敦達以外の探偵社社員も、自信の異能と闘っていた
いずれも、赤い結晶が輝いている
戦いは終わらない
自らの異能に勝つか、敗北して死ぬか、あるいは
『元凶』が断たれるまで





『幸い、この現象の元凶と思われる異能者の居場所は特定しています
ヨコハマ租界のほぼ中心地、骸砦と呼ばれる、廃棄された高層建築物です』

武装探偵社の社長室の画面に、不気味な形をした漆黒の塔が映し出される
周囲に高い建物は無く、孤高に聳え立つ姿は他者を寄せ付けない

「やはり、例の澁澤龍彦ですか?」

澁澤の名に、敦の指が微かに動いた
敦の頭の中を、荘厳で重厚な、神々しい扉がよぎる
ーーーーーそれは、開けてはいけない扉、思い出してはいけないことだ

『……貴方がた探偵社に重要な任務を依頼します
首謀者である澁澤龍彦を排除してください
方法は問いません』

安吾の言葉に、鏡花は鋭い眼差しで頷いた

『それと、これは補足ですが、その首謀者と同じ場所に、どうやら太宰君がいるようです』

「太宰が?」

国木田の眼鏡が光を反射した

「捕まってるってことですか?」

敦の言葉で安吾の顔に動揺が走る

『このままではヨコハマが全滅します
貴方達だけがーーーーー』

安吾の言葉が途切れ、雑音が急に大きくなる
画面は乱れ、再び白黒の砂嵐になった

そこへ、轟音が響く

「来たか……」

轟音の正体は手榴弾
投げ入れたのは、国木田の異能『独歩吟客』

『武装』探偵社→←異能の異変 <弐>



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雪華 - ワンピース×たくっちのまぃの恋愛短編集をリクエスト来ましたよ!頑張って作って下さいね! (2018年10月8日 9時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - こんな作品を読んでいただき、ありがとうございます! (2018年10月7日 22時) (レス) id: c2940fbcc7 (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ - 初コメです!小説面白かったです!更新頑張って下さい! (2018年10月7日 21時) (レス) id: f267fe3bd0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2018年10月7日 18時

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