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龍頭抗争 <弌> ページ2

ヨコハマ裏社会史上、最も死体が生産された八八日
あらゆる組織を巻き込んで吹き荒れた血嵐、龍頭抗争
ーーーーーーーーーーーーーその終結前夜



赤い満月が空に浮いていた

重く伸し掛かるような空気の下、ポートマフィア下級構成員の織田作之助は拳銃を構え、小走りに目標地点へと向かっていた

左右には死体の山、辺りに転がる大量の薬莢
銃撃戦が繰り広げられた痕だった

「……?」

目標地点へと向かう織田の耳に引っかかるものがあった
この暗澹たる夜に似つかわしくない “声„

織田は、迷わず “声„ の方へと向かう

辿り着いた先には、横転した車があった
その近くに夫婦が倒れていた
武装をしていないただの一般人
流れ弾に当たったのか、夫婦はどちらも絶命していた
だが、織田の聞いた声の主である子供(少女)は、夫婦が二人で守ったおかげで軽傷しか負っていない

「こんな状況で生きてるとは、運がいいな」

織田がそう呟くと同時に、イヤホンから耳障りな雑音と、親友の声が聞こえる

『ーーーーー織田作』

「太宰…何処だ」

織田の眼差しが鋭くなり、声が低くなる

『何してるのか大体察しがつくけど、早く逃げろ……そこもすぐ危険になるーーーーー』

太宰が早口でそう言うと、雑音が混じり、もう一方からの通信が割り込む

『引っ込んでろ、サンピン!』

その声に織田が視線を上げると、背後から豪速で走ってきた単車が織田を追い抜いた

単車を運転するのは、太宰と同じくポートマフィア幹部の中原中也
スロットルを回して速度を上げる中也のインカムから

『ハーイ、中也…敵の射程距離に入ったから、弾受けて死んでね』

ふざけたような軽い太宰の声が聞こえた

「うるせえ!」

そう太宰を怒鳴り飛ばす中也めがけて敵からの榴弾ーーRPG7、厚い装甲を撃ち抜く対戦車榴弾ーーが落ちてくる

中也は、巧みな体重移動で単車を操り、弾を避ける
避けた弾は道路を爆破した
白煙の上がる中、悠々と単車を走らせる中也を雷が襲う

「チッ、クソ能力者か!」

雷を操り中也を襲ったのは、仮面を付けた男
雷により土煙が上がり、中也の姿がかき消される
だが、次の瞬間、中也の単車が建物の壁を上って走り出した
重力で落ちるはずの単車は決して落ちない

仮面の男は、能力で中也に攻撃を仕掛けるが、中也はそれを悉く避ける

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雪華 - ワンピース×たくっちのまぃの恋愛短編集をリクエスト来ましたよ!頑張って作って下さいね! (2018年10月8日 9時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺の砂 - こんな作品を読んでいただき、ありがとうございます! (2018年10月7日 22時) (レス) id: c2940fbcc7 (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ - 初コメです!小説面白かったです!更新頑張って下さい! (2018年10月7日 21時) (レス) id: f267fe3bd0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朱鷺の砂 | 作成日時:2018年10月7日 18時

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