302＊可愛い彼女 ページ16
薄明かりの中、目が覚めた
まだぼんやりとしている頭で、今どういう状況かを考える
でも、そんな考えが吹き飛んでしまうほど食欲が沸き立てられる匂いを感じ取った
「もう起きたのか…」
重い体を起こし、部屋から出る
リズミカルな包丁の音
コトコトとスープを煮込む鍋の音
そして、楽しげな彼女の鼻歌
「おはよう、ルナちゃん」
「あ、おはようございます！」
「朝ご飯、作ってくれたんだね。ありがとう」
「いえいえ、これくらいのことはさせてください！」
彼女は僕に座るよう促すと、朝食を運んできてくれた
テーブルに並ぶのは、ホカホカな白米
だしが香るみそ汁
脂が乗っている旬の魚と漬け物
どれもこれもおいしそうだった
「ふふ、早速食べましょうか！」
ルナちゃんが僕の向かい側に座るといただきますと手を合わせて食事を摂る
「おいしいなぁ」
しみじみとそう言うと、彼女は噴き出した
「ココさん、おじいちゃんみたい」
「酷いなぁ…僕はまだ２８だよ。…まぁ、もうすぐ三十路だけど」
僕の言葉に彼女はまた面白そうに笑った
ルナちゃんは、昨日あんな事があっても何事もなかったかのように明るく接してくれる
やっぱり君はとても優しい人だよ
…え？告白はどうなったかって？
そんなのわかるだろ？
大失敗、大失恋だよ
あーぁ、初恋だったんだけど…
ルナちゃんは鉄平に譲るよ
でも…もし彼女を泣かせるようなことをしたら…
「その時こそ塩酸を飲ませてやる」
「ココさん？…な、なんか笑顔が黒いですよ？」
「ううん、何でもないよ」
いつも通りの笑みを浮かべて、僕はみそ汁を啜った
食事を摂った後、彼女を再生所まで送った
帰りの途中、ふと、第一ビオトープでルナちゃんを見たときのことを思い出した
「そう言えば、君の電磁波がいつものものと違っていたんだ。こう…強くなったって言えば良いのかな？」
「あぁ…ふふっ、ココさんに隠し事はできませんね」
ルナちゃんは話してくれた
自分にはグルメ細胞があって、しかもグルメ細胞の悪魔まで宿っていることを
僕はとても驚いた
だってそれまでの彼女はどう見ても普通の女の子だったんだから
「急にそんなことになって…恐くないのかい？」
「確かに…最初は怖くなりましたよ？でも…与作様や鉄平さんと対等になれたと思うと、逆に嬉しく感じるんです！あ、もちろんココさんとも！」
そう言って、満面の笑みを浮かべる彼女は
やっぱり何にも代え難いくらい可愛かった
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか？ (8月26日 22時) (
レス) @page33 id: de2c41cb59 (このIDを非表示/違反報告)
零 慈-ﾚｲ ｼﾞ-（元：零ｰﾚｲｰ）(プロフ) - 私も１から読ませてもらってます！とても与作さんやそのほかのキャラへの愛を感じる作品だなあ、と感心してます･･･。作者さんのペースで良いので、頑張ってくださいね！ (2020年12月9日 20時) (レス) id: 7c94df9960 (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか？ (2020年9月20日 22時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - １から見させてもらっています とても面白いです ありがとございます (2020年9月17日 22時) (レス) id: 09e4e6eb84 (このIDを非表示/違反報告)
承太郎の帽子(プロフ) - お久しぶりです！この間にゃんこさんの小説を最初から読んでいったらトリコ熱がまた上がっていきました！！更新遅くても首を長くして待っています！ (2020年1月13日 11時) (レス) id: dbaa959796 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃんこ | 作成日時：2019年6月29日 13時
