少女の成長物語 with 再生屋コンビ10

299＊エモグミトラップ ページ13

「ココさん、お風呂ありがとうございました！」

ルナちゃんが風呂から上がってきた

僕は振り返り、彼女に返事をする

「あぁ、どういたしまし…」

思わず目を見張った

予想はしていたけど、やっぱり僕の服はブカブカで

そのせいで鎖骨やら足やら……露出が…ね？

さらに髪はしっとりと濡れていて、肌はほんのりピンク色に染まっている

本当に１６歳かい？

と、聞きたくなるくらい彼女は魅力的だった

な、何を考えているんだ僕は…

たった今失恋したと落ち込んでいたのにこんなこと考えるなんてただの変態じゃないか！

「ふふ、やっぱり大きすぎたね」

ここは何とか笑ってごまかすことにする

彼女は僕の心境に気づかないまま笑った

「でもすごく着やすくて…お風呂も…気持ち良く…て…」

ん？ルナちゃんの様子がおかしい…？

段々と目がトロンとしてきて

僕の視線を捕らえて放さない

もう眠くなってきたのかな？

最初はそう思ったけど、どうも違うみたいだ

「私…ココさんのことが…好き…」

「え…」

気づいたときには、彼女は僕に抱きついていた

胸に顔を埋めて

背中に手を回している

「え…え…！？」

突然の状況の変化に、僕はまたしても酷く動揺した

だってルナちゃんが好きなのは鉄平であって…

僕は失恋したわけで…

もしかして、それは僕の勘違いで、本当に好きなのは僕…？

いや、そこまで僕の頭は楽天的にできていないよ…

そのような考えに至った自分に呆れ、ルナちゃんを見下ろした

「ルナちゃん、どうしたの急に」

「好き…好きです…好き…」

何度も好き好きと言ってくるもんだから、どうしても嬉しく感じてしまう

そんな気持ちをグッと抑え込み、僕は自分からルナちゃんを引きはがした

彼女の前にしゃがみ込み、顔がよく見えるように髪を耳にかけてやる

その間もルナちゃんは僕に熱い視線を注いできた

「あぁ、やっぱり…」

彼女の目をよく見てみると、瞳の中にピンク色のハートが見える

「ふふ…エモグミ、食べ過ぎちゃったんだね」

彼女がこうなった原因はきっと“愛のエモグミ”のせいだ

３つまでって言ったのに…

「全く、とんだ食いしん坊さんだ」

おかしくて、ルナちゃんの鼻をちょんと触る

彼女は終始ニコニコで、また僕の首に抱きついてきた

僕もギュッと抱き締める

大丈夫、エモグミの効果は明日には消えてるよ

だから…それまでは…

まやかしでも良いから、僕だけのルナちゃんでいて欲しいな

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