少女の成長物語 with 再生屋コンビ 4

148＊恋とは ページ37

「私、皆のこと同じに好きだよ？...あ、でもね！与作様は特別でね！一番好きなんだぁ...って、リン、どうしたの？」

「...え？いや、何でもないし！...なんだ、そっかぁ...ウチはてっきり...。」

リンは安心したような顔をするとまたぶつぶつと独り言をつぶやき始めた。

「あのね、ルナ。ウチが言ってるのはそーゆー“好き”じゃなくて、恋愛感情の“好き”だし！ライクじゃなくてラブだしラブ！！」

「れ、恋愛感情？ラブ？」

リンの言葉に首を傾げる。

そもそも“好き”に種類なんてあるの？

「ルナは恋とかしたことある？」

「こいって...鯉？」

「....違うし！魚じゃないし！何お決まりの間違いしてるんだし！！」

リンが怖い顔でずいっと詰め寄ってきた。

「ご、ごめん〜わかんないよぉ〜....」

話の内容が未知すぎるよぉ...

私が目に涙を浮かべているとリンはため息をつき、自分のジュースを一口飲んだ。

「じゃあ、ウチが教えてあげるし。」

ゴホンッと咳払いをし、説明を始める。

「恋に落ちると、毎日その人のことを考えずにはいられなくなるんだし。会いたい会いたいって思っても、どこかて怖くて臆病になっちゃう。それでも声が聞きたい、自分の名前を呼んで欲しい、そばにいてほしい...そんな思いでいっぱいになって。自分に笑いかけてくれた時は嬉しくて、ドキドキが止まらなくなる反面、嫌われたくないって胸が苦しくなる。胸がキュウッて締め付けられて苦しい。そんな甘くて、ちょっと苦いものだし。」

甘くて...苦い...

「なんか恋ってチョコレートみたいだね。」

それでいて、不思議でちょっと怖い

「胸が苦しくなるなら私は恋しなくてもいいかな。」

「あのね、ルナ。そうなるのは、好きな人と結ばれたいって思いがすっごく強いからなんだし！だからウチも毎日苦しいけど...でもトリコに会えるとちょう嬉しいし！！」

「そうなんだ...。」

リンはトリコさんに恋してるみたい

じゃあ私は？

私は誰かに恋してる？

私は与作様のことが大好き

でも恋とは違う気がする

笑顔を向けられれば嬉しいし、嫌われたくない、ずっとそばにいたいって思うけど

ドキドキしたり、胸がキュウッて締め付けられたりはしない

こんなに好きなのに、なんでこの気持ちは
恋じゃないんだろう

恋って....やっぱりよくわかんないや

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