142.未来ノ話 ページ33
「はい、じゃあお薬ね。
お大事に。」
結局、救急搬送された私は
急性腸炎ってことで
点滴とお薬の処方だけで大事には至らず
すぐに帰宅許可が出た。
よかった…
翔さんと帰れる。
翔さんといられる。
.
2人で手をつないで帰る道。
ガラガラとキャリーケースの音と
私たちの笑い声を響かせて。
月明かりに照らされた二つの影が
寄り添って歩く。
「今度からは黙ってないで言えよ。」
「はぁい…。
じゃ、翔さんも私の異変に気付いたら
訊いて下さいよ。」
「ああ、今度からは遠慮なく訊いてやる。」
「もう、二度と…
疑ったり…信じなかったり…しません。
病める時も健やかなる時も
その永遠の愛を誓いましたから！
ずっと翔さんの側にいます。」
「っは！俺も
自分より他の奴のほうが
お前を幸せにできるんじゃねーかって
くだらない考えは捨てる。
病める時も健やかなる時も
その永遠の愛を誓ったからな！
俺がお前を幸せにしてやる。」
「重いですね。」
「重いな。」
翔さんがスマートに手を上げれば
簡単にタクシーは捕まる。
なぜだ？
.
「ただいま帰りましたー！」
「ただいま。」
玄関に入りキャリーケースを離した翔さんは
思いっきり私を抱きしめた。
「翔さん？」
「惚れてるよ。
心底惚れてる。
絶対に誰にも渡さない。」
苦しいほど抱きしめられる力に
その気持ちが伝わってくる。
「私だって好きで好きで
急性腸炎引き起こすくらい
大好きですよ。
お婆ちゃんには渡さない。」
「ナオミ限定かよ！」
そのまま抱き上げられ
縁側に座り夜空を見上ければ
キラキラ輝くお月様。
「ここでずっと一緒に
色んな景色を見ていくんだ。
これからずっとな。」
「はい！」
「春には何が見たい？」
「…桜ですかね？
あ、じゃあ夏は！？」
「天の川。とホタルかな？
秋はどうする？」
「もちろん紅葉ですよ！
寒い寒〜い冬はどうします？」
「雪が降ったら考えよう。
どうせまた春が来るし。」
後ろから大好きな旦那様に抱きしめられながら
私たちの未来の話をする。
「その時には家族が増えてるといいな。」
フフッと笑った翔さんを見れば
ゆっくりと身体を倒され
上から無数のキスが降ってくる幸せ。
「好きだよ、A。
明日も明後日もこれからもずっと愛してる。」
「翔さん…、わたしも。」
ずっと、ずっと
一緒にいてね…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3461人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年8月18日 22時
