35.ウッカリトーーク ページ35
雨がシトシトと降る中
長靴を履いて土臭い道を歩く。
空はどんより
でも私の脚は軽やかだった。
今朝の櫻井さんとのチューを思い出したら
スキップまでしちゃうくらい。
私って単純なんですね。
水たまりに映る私の顔はニマニマと頰が綻んでて
確実に櫻井さんに惹かれているんだなって
思った。
.
職員室の引き戸を開けると
大宮せんせーたちはもう登校していて
なにやら楽しそうにしていた。
「んっ…!!ぁああ!!ニノ!やめっ!!」
「ほらぁぁぁ?ナニが欲しいのよ?
言わないとあげれるモノもあげれないよ?」
「ぅんん…いぢわる…ああ!!」
二宮せんせーが『キノコの里』っていう
キノコの形をしたチョコレート菓子を
大野せんせーの唇にグーリグリするから
チョコレートが溶けて口の周りがチョコまみれな
大野せんせー。
気のせいですか?
大野せんせーは全然嫌そうじゃないような…。
「もうっ我慢できない!ちょーだい!」
「くふふ…おらよ口、あけろぉ?」
「ふふーー♡美味しいニノのキノコの里♡」
どうやら区切りが付いたそうなので
声を掛けてみます。
「おっはよーございます!
何してるんですかー?」
「んぐっ!!
Aせふせー。おぅはよー」
「んだよ、邪魔すんなやー。」
「二宮せんせーもおっはよーございます!
昨日は心配してくれてありがとーございました!
冷やし中華のことは一生忘れません!」
「冷やし中華は見なかったことにしてやる。
つかなに?
昨日はあれから変なことしてないでしょーね?」
「え?ええ?
ええええー♡」
昨夜の強引なキスと
今朝の不意打ちなキスを思い出して
思わず笑みが溢れてしまう。
「うっわ!!
マジかよ!?うっぜーよ!!」
「なになにー?
昨日はニノも混ざったの?」
「違いますよ!
昨日はぁ…チューしちゃったんです♡キャッ♡」
しーーーん。
と、何故だか静まり返る2人。
「え?あ、許嫁…。
ってことは、だ!
もしかしてアンタらまだ…?」
「え!?許嫁!?この平成のご時世に!?」
浮かれてウッカリ口を滑らせてしまった。
目が…泳ぐ。
「ダメですか!?」
ぅ、ギャーーーーハハハハハ!!
2人は大爆笑。
涙を流して笑っていた。
ちくしょーです。
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作者名:ミイチゴ | 作成日時:2015年6月26日 23時