34.心臓ニ悪イ旦那様 ページ34
次の日の朝。
緊張してキッチンに立ってたのに
櫻井さんは昨夜の事には一切触れず
ふっつぅーに出勤して行くのをお見送りする。
そりゃまぁ
『…え！？少しは触れてくださいよ！！』
とか思いましたけど。
重い女とか思われたくないので
平静を装いながら少し凹みます。
凹みます。
かなり凹んでます。
「分かりやすくヘコんでるんだな。」
「ゔっ…！
凹んでませんよ。
え？凹むようなことありましたっけ？」
必死に平静を装う。
平静ジャンプな私。
「愛されたいんだろ？
ほら、いってらっしゃいのキス。
お前からしてみろよ。」
「っええ！？」
「急げよ時間ねぇんだから。」
時間ないのなら
今、やらなくてもいいのに！
ムチャぶりしすぎですよ！！
「お前がしないのなら
会社の相葉ちゃんにして貰うぞ？」
相葉ちゃん！？
誰それ！？
名前からして可愛い！！
やだやだ！！
「目を瞑って下さい…。」
「ん。」
いいのかな？
だってこんなに綺麗なお顔に…
うわっ！
二重の線くっきり！
まつ毛長っっ！
鼻筋通り過ぎ！
唇ぷるぷる！
「早くしろよ。」
「は、はい！！」
い、いきますよ？
いいんですね！？
近づける顔。
うう…綺麗なモノを汚す気持ちです。
でも、いかせてもらいます！
ちゅ。
ハリのあるそのホッペに。
一瞬だけ。
したつもりだったのに。
ホッペに唇が触れた瞬間に
私の唇は櫻井さんの唇に奪われた。
「このチキン。」
なんて嫌味を言われてその後ろ姿を見送った。
朝から心臓に悪い旦那様です。
でも…
なんってカッコいいんだろ。
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年6月26日 23時
