32.セメテ、ヒトクチクライ… ページ32
こんな惨めな私に手を差し伸べてくれたのは
他でもない二宮せんせー…
もとい、二宮パパ。
「あのさぁ…
どーでもいいけどワタシの存在忘れてない？」
少しだけですよ。
少しだけその存在を忘れていた二宮せんせーは
負のオーラ全開。
寂しがり屋さんなんだな。きっと。
こんなに怒るなんて。
「あーあ。来るんじゃなかったわ…。
もう帰ってクソして風呂入って
採点してゲームしてクソして寝よ。」
帰ってからやること、
結構あるんですねぇ。
ん、クソ何回するんですか？
なんてぼんやり考えていたら
櫻井さんがさらに爆弾を落とす。
「そんな事言わず、
良かったら飯でも食べて行けば？」
「え"ッ！？
何を言い出すんですか櫻井さん！？」
本日のディナーは
さっき文句言われたあの錦糸玉子の乗った
冷やし中華ですよ！！
「んーー、まぁ…
どうしてもって言うならね。
我々、今後のお付き合いもありますから
食べていきますよ。」
二宮せんせーも！
帰ってクソしてクソして寝てくださいよ！
「あぁ。是非食ってってくれよ。」
ニヤリと笑った顔は悪魔のような笑顔。
キッチンに案内して
ダイニングテーブルに私と櫻井さんが並び
向かいの席に二宮せんせーに座ってもらう。
「ど、ど、どうぞ召し上がって下さい…。」
差し出した冷やし中華。
もう櫻井さんは手で顔を覆い笑いを堪えて
撫で肩を揺らしている。
「へぇー、
おたくは冷やし中華にキクラゲなんだ。
玉子は入れないの？」
「…ぶっふ！！！！」
櫻井さん、暴発。
「…これ、キクラゲじゃなくて
錦糸玉子です…。泣」
「え"！？」
シーーーーーーーン…
「じゃ、俺帰るわ。」
「酷い！酷すぎます！
玉子に謝って下さい！！」
「謝るのはアンタでしょーが！？
ビックリだわ！
どうしたらこんなに焦がせるのよ！？」
ゔっ…！
櫻井さんと同じことを言う。
櫻井さんがギャハギャハ笑ってる中
二宮せんせーは冷やし中華に箸も付けず
帰っていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2642人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年6月26日 23時
