31.ツンデレツン ページ31
「どんな形であれ…
私たちは結婚したんです。
私は一生櫻井さんの側にいます。
いさせて下さい。
今、一緒にいて…楽しいんです…。
もっと櫻井さんを知りたいです…。」
言ってしまった。
今、思ってることを正直に。
恥ずかしいし。
顔は火照るし。
なんだか心臓はうるさいし。
何なんでしょうか？
いっぱいいっぱいな私を見て
旦那様は笑ってる。
やっぱりイケメン。
「へぇ。それって俺が好きってこと？」
そしてまだグイグイ訊く。
キラキラな目をして。
「分かんない…です。
あ、でももしこれが"好き"なんだとしても
私はご迷惑掛けませんから！
仕事を選んで下さい！」
「ふーん。
ま、それは追い追い。な？
ところでだ、耳を貸せ。」
「？」
言われた通り耳を傾けると
片手で私の身体を支え
反対の手で耳打ちをする。
綺麗なその顔が近い。
優しい言葉を投げかけられて
抱き上げられて
耳打ちされて
今、イイ感じなんだー♡
と思っていました。
そんなフワフワと浮ついた気持ちの私に
突如、櫻井さんの怒りの鉄槌は下される。
「愛されたかったら
もっと料理上手くなれよ。」
「ん？」
低い声でコソっと言われたその言葉に
一瞬、耳を疑った。
けど次の瞬間。
「なんだあの冷やし中華の玉子は？
食材を無駄にすんな！
このタコ！」
「ぎゃっっっ！！！」
タコ！が鼓膜を破る勢いで言われるから
そりゃもうビックリしまして
身体が仰け反り床に転げ落ちてしまった。
「いったたたた…」
しかも大股を開いて。
うぐぅ…お嫁にいけない…。
それから櫻井さんの顔を覗くと…
いつもの呆れ顔！
え？え？
いい雰囲気だったんじゃないんですか！？
ツンデレツン！？
さっきまでの甘さは何なんですか！？
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年6月26日 23時
