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29.好キデモナイ人 ページ29
二宮せんせーは
私の言ったことに呆れてしまった。
無理もないですよね。
自分の意思じゃなく結婚したなんて言われたら。
呆れられて当然。
「おかしいと思ってたんだよ。
隣にイイ男がいるのにさ。
靡かないなんて。」
「大野せんせーはタイプじゃないです。」
「そっちじゃねぇわ！」
え？
まさか自分で自分をイイ男とか言ってるんですか！？
スゴイな二宮せんせー！！
「ふは！
でもこれで分かった。
アンタには気持ちがないこと。
許嫁なんて古〜い風習に捉われて
好きでもない人と結婚させられたってことが。」
「…好きでもない人？」
櫻井さんのこと？
好きじゃない？
「そ。そんなヤツと結婚して幸せなの？」
櫻井さんと結婚して幸せじゃない？
好きじゃない？
幸せじゃない？
私に気持ちはない？
「わっ！
私はそんなっ…！！
「話中、申し訳ないんだけど。
手、洗わせてくれない？」
二宮せんせーの言葉に反論しようとしたその時。
私の言葉に被るタイミングで櫻井さんが
この洗面所に顔を出した。
やだ…聞かれてた？
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作者名：ミイチゴ
| 作成日時：2015年6月26日 23時
